朝、お店を開ける時
近所に住む仲良しの表具屋さんに道で会いました。
「お、いい帯だね。しな布(シナフ)だね。」
全然知りませんでした。
この帯の布は、《しな布》っていうんですって。
去年の夏の終わりに
いつも通り《閑日堂》さんで、一目惚れしていただきました。
正面はこんな感じです。
白い帯揚げと帯締めは、青山の八木さんでいただきました。
帯締めは道明。
この色目は《鯨》っていうんですって。
素敵な名前ですね。
調べてみたら
しな布は日本三大古代布の一つで
現在は山形県と新潟県で作られていて
「シナノキ」という木の樹皮から作られるんだそうです。
「しな」は、アイヌ語の《結ぶ・縛る》が語源で
アイヌ文化圏のお品なんですって。
言われてみれば、直線的な太い線の感じは
アイヌの民族衣装の幾何学模様に通じるデザインです。
木の樹皮の帯なんて素敵!
作るのに一年近くかかるのだそうです。
芭蕉布も、芭蕉の繊維から作る布ですね。
芭蕉の生産は、琉球王朝が管理していたんだそうです。
日本の一番南の端っこと、一番北の端っこで
その土地特有の文化を持った人々が
その土地でしかできない布を、樹木から作っていたんだなぁ
と、感動です。
道具の世界もそうですが
《民芸》の作品には、独得に雰囲気がありますね。
古い小千谷縮です。
桜色の地に紫の*模様。
画像ではわかりにくいですが
本物の桜の花びらの色のお着物です。
現代モノの小千谷縮も持っていますが
古い小千谷縮は、今出来のお品とは、全く生地が違います。
今出来の小千谷縮は、《シボシボ・もこもこ》しています。
昔のお品は、〈シボシボ・さらさら〉。
糸の撚り(より)が詰んでいるのかな?
肌触りがとっても気持ちいいんです。
三重名張《閑日堂》さんについては
《閑日堂》さんの記事は→こちらへ。
HPは→こちらへ。
私と同じで、すご〜くアナログで
お客様の顔の見えないお商売が苦手な
誠実な方です。
同じ小千谷に赤麻(アカソ)の帯のコーディネート。
この日は、全体的にぼんやりならないように
差し色に、濃紺の帯揚げです。
帯留は真珠の一文字。
好きなものだけで装うと
それだけで、一日中幸せな気持ちなんです♪
骨董水妖
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