しな布の帯と 桜色の小千谷縮 | 骨董水妖◇美術品は美術館で見るよりおうちで使う方がずっと楽しい!◇

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江戸時代の古伊万里、超絶技巧の時代蒔絵の重箱、美術館で見た有名な絵師の絵画など、ハイクラスの古美術品が、とってもリーズナブルに買えるお店です。

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朝、お店を開ける時
近所に住む仲良しの表具屋さんに道で会いました。

「お、いい帯だね。しな布(シナフ)だね。」



全然知りませんでした。
この帯の布は、《しな布》っていうんですって。



去年の夏の終わりに
いつも通り《閑日堂》さんで、一目惚れしていただきました。




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正面はこんな感じです。


白い帯揚げと帯締めは、青山の八木さんでいただきました。

帯締めは道明。
この色目は《鯨》っていうんですって。
素敵な名前ですね。




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調べてみたら

しな布は日本三大古代布の一つで
現在は山形県と新潟県で作られていて
「シナノキ」という木の樹皮から作られるんだそうです。
「しな」は、アイヌ語の《結ぶ・縛る》が語源で
アイヌ文化圏のお品なんですって。
言われてみれば、直線的な太い線の感じは
アイヌの民族衣装の幾何学模様に通じるデザインです。




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木の樹皮の帯なんて素敵!

作るのに一年近くかかるのだそうです。



芭蕉布も、芭蕉の繊維から作る布ですね。
芭蕉の生産は、琉球王朝が管理していたんだそうです。


日本の一番南の端っこと、一番北の端っこで
その土地特有の文化を持った人々が
その土地でしかできない布を、樹木から作っていたんだなぁ

と、感動です。


道具の世界もそうですが
《民芸》の作品には、独得に雰囲気がありますね。




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お着物も《閑日堂》さんでいただいた
古い小千谷縮です。



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拡大すると



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桜色の地に紫の*模様。

画像ではわかりにくいですが
本物の桜の花びらの色のお着物です。



現代モノの小千谷縮も持っていますが
古い小千谷縮は、今出来のお品とは、全く生地が違います。


今出来の小千谷縮は、《シボシボ・もこもこ》しています。
昔のお品は、〈シボシボ・さらさら〉。


糸の撚り(より)が詰んでいるのかな?
肌触りがとっても気持ちいいんです。



三重名張《閑日堂》さんについては
《閑日堂》さんの記事は→こちらへ。
                     HPは→こちらへ。

私と同じで、すご〜くアナログで
お客様の顔の見えないお商売が苦手な
誠実な方です。



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《閑日堂のオーナー、中森さん》




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同じ小千谷に赤麻(アカソ)の帯のコーディネート。

この日は、全体的にぼんやりならないように
差し色に、濃紺の帯揚げです。

帯留は真珠の一文字。




好きなものだけで装うと
それだけで、一日中幸せな気持ちなんです♪




骨董水妖
京都市東山区古門前通大和大路東入元町367-4 杉山ビル3F
phone/ 075-541-5128
不定休




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