そのヤンキーに呼ばれ、M先輩は店外へと出ていった。
まぁ店内で手順教えるとかはあり得ないので、至極普通の光景。
なので特に気にもせず、ただ黙々と手順を遂行する俺。
こういった攻略法は、店員チェックorシマ封鎖で簡単に対策されちゃうから。
逆に言えば、パチ屋で普通に稼動してる台に攻略法は存在しないとも言える。
しばらくして、M先輩が戻ってきた。
そして、俺について来る様に促し、2人で店外へ。
その最中、M先輩は一言だけ俺に言った。
「絶対プロっていうなよ」
俺はその言葉の真意が分からなかった。
だが、店の裏に行き、その意味を一目で感じ取った。
至近距離には先程のヤンキーと、その仲間ヤンキーの計3人。
少し距離を置き、ヤンキー達の後ろには”いかにも”ヤバそうな男。
真夏なのに長袖シャツとスラックス、そしてセカンドバック。
目つきや表情から、どう見てもサラリーマンじゃない…。
そして同性能を有した輩がもう一人、遠めにこちらを伺っていた。
「攻略法を教えてくれ」ではなく、早い話「金を出せ」系だと瞬時に悟った。
「この店でネタやんの黙認したるから、とりあえず権利30万で買えや」
まぁ状況が状況なら「ふざけんなや!」で終了のハズである。
ただ、相手が相手なだけに、下手な事は言えないのだ。
俺の頭には、謝るor殴るの選択肢しかなかった。
払いたくはないし、人数は5対5だし…みたいな安易な考え。
ただ、M先輩はこうした修羅場にも慣れてたので、結局は静観する事にした。
話し合いの結果、当初よりは少額のワビ料を払う事で決着。
M先輩以外は納得のいかないまま、二次災害を恐れ店を後にした。
この件まで、俺はその場さえ乗り切れば何でもOK!みたいな考え方だったが、
その場よりも後からが怖いという、ちょっぴり裏の世界を少し知った気がした。