子うさぎ ましろとの再会に 心温まるクリスマス | ことりの木ノート vol.2

ことりの木ノート vol.2

日々のくらしのささやかなできごと 人との交流 大好きな手しごと 絵本 やりたいことへの一歩一歩…
色々な糸を紡いでいつか「ことりの木」というぬくもりのある布を織り上げていけたらと思います。
そんな夢への覚え書きノートです。

今日はクリスマス

クリスマスツリー

やはりどうしてももう一冊
クリスマスの絵本のこと

「子うさぎましろのお話」です
クリスマスが題材にしては
色彩が地味で 絵も素朴なこの絵本は

初版が昭和45年…
もう50年近く前に出版されたんですね

なのでご存知の方
きっと多いと思います

この絵本
私も仕事に就いた頃から 知ってはいたのですが、ちゃんと読んだことはなかったような気がします

不思議ですね、出会いって

つい最近のこと
古書店で出会い、何気なく手に取り
読み始め
絵本を抱きしめてしまいました

再会…出会い直し
読み直しですね

あの時心に届かなかったことが
今なら心に届く…

こうさぎましろの気持ち
自分の幼い頃の気持ち
我が子の幼い頃の気持ち

大人になった今でこそ 愛しく感じられるような気がします

ただただ ましろが
かわいい.。.:*♡


ふたつプレゼントがほしくて
ウソをついて
しまった!…とりかえしがつかない、どうしよう…と
震えるような不安な気持ち

そんなこと あったなぁと

子どもの心で
親の心で
チクっとよみがえります


そしてまた、
この絵本に出てくる サンタさんのような在り方で
子どもに寄り添える人になりたいなぁと思ったりします

この素朴な絵も魅力です
おはなしの魅力を
膨らませます

この絵じゃなきゃダメなんです


そして 作者の佐々木たづさんのことに思いを馳せます

何年も前に読んだ時には
その時にもあったはずの
「おわりに」という一文が
全く目に留まりませんでした

そこには

「わたくしの盲導犬ロバータと、招いてくれた友達とつれだって、丘の上にある彼女のうちへの道を登っていきました。」
という一文があります

盲導犬ということは たづさんは目が不自由だったのかしら?

それにしても この時代に盲導犬?

たづさんのことが知りたくて
この本にたどり着きました

「ロバータ さあ歩きましょう」

希望に胸ふくらませる
高校3年生という若さで失明してしまったたづさんの 生きた軌跡が克明に綴られています

だんだん だんだん 目が見えなくなっていく恐怖と苦痛に胸が痛みます

でもたづさんは負けなかった

まだその頃日本ではほとんど理解されていなかった盲導犬と出会うために海外に単身渡り、訓練を受けます

そしてロバータと帰国し、日本で生活を始めるまでのことが、本当に細やかな描写で描かれています

そんな境遇の中
たづさんは目を悪くしてから、童話をたくさん書いています

「子うさぎましろのお話」は
たづさんの2冊目の童話集におさめられていたそうです

作者のたづさんの歩みを知ることでもっと

ましろのお話が 豊かに 心に響くような気がします


今日はクリスマスですね

あたたかで穏やかなクリスマスの夜が
皆さんに訪れていますように
(*˘︶˘*).。.:*♡


「子うさぎましろのお話」
       ささき たづ ・ぶん
       みよし せきや・え
       ポプラ社


「ロバータ さあ歩きましょう」
       佐々木 たづ
       偕成社文庫