ことり暮らすのカナリア
ことり暮らすのカナリアは?
現在、店主あかね宅で巣引きをしているのは「ローラーカナリア」です。
ローラーカナリアは、
カラーカナリア・タイプカナリア・ソングカナリアという3タイプのうちの
ソングカナリアに分類される品種で、
姿かたちや色ではなく、「歌声」のみにポイントをおいて品種改良されてきた小鳥です。
わが家のカナリアの長・ボンボン♂(黄斑)
ローラーカナリアの歌声は、
他のカナリアよりも低い声質(中~低音階)で、
口を閉じたままさえずるのが特徴的です。
幼鳥期に、親鳥や教師鳥のさえずりのパターン(歌節)を学習して覚えます。
他の子たちの声も入っていますが
ローラーカナリアの歌声はとても心地いいですよ
他のカナリアに比べて鳴き声も小さいです
ただ、わが家で生まれたカナリアたちは足環を付けていません。
血統としてはローラーカナリアの血筋なのですが、
その証明に必要なJIR(ローラーカナリークラブ)などの足環を装着していませんので
例えば、品評会などには出られないと思います。
足環がなければ、正式な意味での「ローラーカナリア」とは呼んではいけないと言う方もいると思います。
もしも品評会に出たい・品評会に出すための繁殖をしたい、と言う場合は
クラブの足環のついた鳥さんを他店などでお迎えされることをおすすめします。
品評会に出ることをお考えでなければ、足環は特に必要ないと思われます。
なぜ足環をつけないのか?
こんなことを書くと怒られてしまうかもしれませんが
一応私も地域のクラブに籍を置き、先輩方から勉強させていただいています。
なので、クラブの足環もつけようと思えばつけられるのですが…
では、なぜ足環をつけないのか。
カナリアは、ハバキができやすく、それによる足環トラブルが起きやすいためです。
ハバキとは指や脚に角質が分厚く層をなしていくものですが、
カナリアは(個体差はありますが)、年齢によらずそれができやすい子も多く、
足環が食い込んで腫れたり、足環にあたる部分に肉芽ができたり、
酷い場合は脚が壊死してしまうケースもあります。
私自身も、カナリアのハバキのケア(専用のクリームを塗ってふやかして取る)は日々行っていますが、なかなか手のかかるものでもあると実感しています。
足環のメリットとデメリットを考えて、
私は、カナリアには足環をつけないという選択をしています。
(※セキセイには足環をつけています)
カナリア…どんな鳥さん?
カナリアは品種によってサイズやカラーがかなり違います。
ここでは、わが家のカナリアたち(ローラーカナリア)についてお話しますね。
セキセイのはなちゃんとも仲良くしていました
わが家のカナリアたち
体重 約20~30gくらい
ごはん ペレット8割:シード2割 + 生野菜(小松菜やパプリカなど大好きです)
ペレットはズプリームフルーツブレンド、ラフィーバ、シッタカスなど色々食べています。
日課 水浴び、日向ぼっこ(室内)、歌って遊びまわる、ホヨヨボールでゆっくりする
ものすごく活発で、ごはんもとてもたくさん食べます。
生野菜は特に大好きで、大きな小松菜も気が付くとペロッと平らげています。
また、「繊細な鳥なのでは?」と思われがちなカナリアですが、
意外や意外、結構図太くて、
夜中の地震などでセキセイたちがパニックになっていても、
カナリアたちは全員熟睡していたり(笑) 同室なのに!びっくりします。
とても賢くて、表現も豊か。
「えっ今日は僕の好きなごはん入ってないんだけど…?」とか
何を考えているのかがよくわかります。
文鳥さんなどのように、鳥同士お団子になったり、人の手に潜り込んだりはしません。
ベタベタ、ではなく、どちらかと言うとドライ、
自由気ままな猫さんのような性格の子が多いです。
信頼関係を築けば、手に乗ってくれたり、鼻にチュウしてくれたりしますよ^^
どんな子たちがいる?
わが家のカナリア、
こんな子たちがいます^^
生まれてくるヒナのカラーのご参考にも。
わが家のグレートマザー ノジちゃん♀
(緑…カナリアの原種に一番近い色です)
わが家で一番のイケメン&育メン クーゲル♂
(白斑・梵天)
麗しのミルヒちゃん♀(白)
姉御肌 ベコたん♀(白斑)
右:三姉妹の末っ子 キッシュ♀(緑・梵天)
左:三姉妹の次女 カヌレ♀(グレー)
上記は一例です。
斑(まだら)が入ると、その入り方によってだいぶ印象が変わります。
個性が出やすいですね^^
梵天(頭につむじがある)の子も、とてもユニークです。
わが家の梵天ちゃんたちは、「K-POPのアイドルみたい!」と言われるほど
すてきな髪型なんですよ。
(カナリアの梵天のかたちも様々なので、ぜひ検索して、うちの子たちの髪型と見比べてみてくださいね。みんな良いけれど、うちの子、やっぱりかっこいいです!)
色は赤やレモンに比べると地味ではありますが、みんなとっても可愛いです。
原種に近いカラー、原種の持つ羽根の模様など、私は大好きです。
カナリアの子育て(あかね宅の場合)
基本的には親鳥に育雛を任せ、人間はあくまでもサポート役として付き添っています。
鳥と人間との共同育雛、co-parentingです。
巣上げは行っていません。
カナリアの卵は青い
ノジちゃんの子育て風景
生後1週間頃からは皿巣の中がヒナの糞で汚れてくるので、
一日に数回、巣材の交換をしています。
その際にヒナの体重を測ったり、手の上にのせるなどして
人間の存在にも慣れていってもらっています。
体重がなかなか増えない子には、サポート給餌も行います。
生後20日頃
カナリアの成長は早い!
3週間経つか経たないかで、もう巣から出てきます。
ヒナが巣立ちしたら、子育ての終盤はなるべくパパひとりにお願いしています。
発情を抑えて次の産卵をさせないように、ママは別ケージへ移動です。
巣立ちから1週間もすると、
だいたいの子たちがひとり餌に切り替わっていきます。
巣上げをしなくても、
毎日のふれあいを大切にしながらお世話していますので、
こんなふうに手からごはんを食べてくれていますよ
ホヨヨはだいたい取り合いに…(笑)
カナリアと暮らす上で気を付けていただきたいこと
カナリアという鳥の性質上、注意していただきたいことをあげていきます。
※基本的な飼い方の注意はここでは省きます。
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”カナリア用”とされている油分の多いシードミックスは駄目!
ナタネ、エゴマ、ニガーシード、カナリーシードが大半を占めるようなシードミックスが「カナリア用」として販売されていますが、これは本来カナリアには向きません。
室内で家族として暮らすカナリアにとっては、
こういったミックスは油分が多すぎて、肥満や病気の原因となります。
シードはセキセイや文鳥用などと同じような配合のミックスをおすすめします。
(※シードを主食にする場合は必ずサプリメントでビタミンとミネラルを補助してください。可能でしたらペレット8割食をおすすめします。カナリアはペレットも好んで食べてくれやすいです)
生後90日頃までは特別食が必要です
特に油分が必要という訳ではないカナリアですが、生後90日頃までは油分の高い特別食が必要になります。
特別食 = 主食の3~4割をエゴマ(またはエッグフード)にしてあげてください。
これがないと、この時期の幼鳥はとても弱りやすいです。
大事をとるなら、ヒナ換羽が終わる頃までは特別食でもよいかもしれません。
ローラーカナリアのさえずり方(歌節)は学習させなければ覚えません
生後2~3カ月もする頃には、オスはぐぜるようになります。
(ぐぜる = さえずりの練習を始める)
メスでも中にはちょっとだけ歌おうとする子はいますが、オスほど長く熱心には歌いません。
ぐぜるようになってきたら歌の学習の時期なので、一日に1~数時間はローラーカナリアの歌声を聞かせてあげることが大切です。
この時期に覚えなければ、ローラー特有の鈴を転がすようなさえずり方は覚えません。
(学習無しだと口を開けて歌うようになる可能性もあります。口を開けて歌うと、結構な声量になります。それでも問題ないよ!という方は学習させなくてOKです)
数カ月してさえずりが固定化されてきたら、学習は終わりです。
ローラーカナリアの歌声は、YouTubeなどでも聞かせることができます。
(わが家にも教師鳥のテープとCDがあるので機械等があればダビング可能ですよ)
ローラーカナリアの歌声を聞くと
人間の脳ではα波が出るそうです👀
他の品種のカナリアの声を聞かせない
メスの場合は問題ないかもしれませんが、
オスの場合は、せっかく学習した歌節ではなく、他品種のカナリアの鳴き方(高い声、口を開けて歌うなど)を真似するようになります。
「別にそれでもいいよ!」という方にはいいのですが、
ローラーカナリアの歌声が好きな方はご注意くださいね。
同居させるなら広いケージで・相性もチェックしながら
カナリア、特にオスは、縄張り意識が強い小鳥です。
オス同士で狭いケージに入れてしまうと、かなり高い確率で大ゲンカになります。
どちらかが亡くなってしまうくらい激しいケンカになる場合もあります。
オス同士を同居させたい場合は、かなり広めのケージで、なおかつ相性をよく見ながら、試験的に行ってみてください。
わが家もカナリア男子は、高さ135×80×50cmほどのケージで仲良くやっている♂4羽と、どうしてもケンカしてしまって誰とも同居できない♂1羽がいます。
こればっかりは相性やその子の個性が大きいと思いますので、飼い主さまがしっかり見てあげてください。
メス同士は比較的同居させやすいですが、中にはひとりでごはんを食べすぎて発情・産卵をしてしまう子もいますので、体重チェックはこまめにしてあげてくださいね。
オスとメスを同居させると発情・産卵に繋がります。
巣皿を入れなくても、ごはん入れなどに卵を産むこともあります。
巣引きを計画していないのであれば、オスとメスの同居は避けてください。
巣引きに挑戦されたい場合は、ぜひご相談くださいね。
他の小型鳥とのケージ同居は、鳥種にもよりますが、基本的にはおすすめしません。
よほど相性がよく、事故や怪我の危険性もないと飼い主さまのご判断があれば別ですが、
別の鳥種同士の場合は、普段の生活は別ケージが良いかと思います。
(わが家では過去にセキセイがカナリアの足を怪我させる事故がありましたので、ご参考までに!)
カナリアはとても賢く、愛らしく、
実はコンパニオンバードにも向いている小鳥です
生きものですので、お世話には手もかかりますし
可愛い、楽しい、ばかりではありません
日々、時間と愛情と、必要なお金をかけて
向き合い続けていかなくてはなりません
けれどもそれが、
そういうことの全てが、
生きものと暮らすことの幸せだと
私は思いますし、
そう同じように思ってくださる方に
私は、わが家で生まれた小鳥たちをお渡ししたいと思っています
わが家で生まれたカナリアたちが
新しいご家族さまのもとで、生涯楽しく幸せに暮らしてくれますよう、心から願っております
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(2022/11/11)