ソウル訪問記 その6 ソウル駅うろうろPart1 | せき@息抜きブログ

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最近は介護ネタも出てくるかも。

さてさて、前回投稿ではKTXでソウル駅に戻ってくるトコロまでまとめた訳ですが、次の「目的」までには時間があるので、少しソウル駅をうろつくことに。

KTXを降りたホームの対面には、韓国の鉄道の基礎的列車である「ムグンファ号」が停まっています。


ムグンファ号は、韓国鉄道公社(KORAIL)の主要列車で、急行~普通列車相当を担う存在です。地方路線の一部列車を除いて客車列車として運行され、接客設備は日本の特急列車とほぼ同等のものになっています。 

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在来型客車は日本の国鉄特急型とほぼ同様で、新型客車は間接照明&荷物棚の半透明プレート化で、かなり近代的になりました。また、ムグンファ号およびセマウル号には、特別車が連結されています。

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カフェカーと呼ばれる、簡易ビュッフェ&フリースペース車で、セマウル号の全てと大半のムグンファ号に連結されています。昔は食堂車が連結されていたようですが、日本と同じように「高い・不味い」で衰退し(車内調理は限界があるので仕方ないのですが)、その代わりに用意されたものです。


車両中央にはビュッフェカウンター(というより売店然としていますが)があり、レンジアップした弁当やスナック類、飲料が買え、カウンターで飲食することが可能です。またこのカウンターを境に、もう片側にはPCコーナーと「カラオケルーム」があります。列車内でカラオケ?と思いますが、利用者がいることにもビックリ。お国柄の違い、ということなんでしょうか…。

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さて列車探検も程ほどに、ホームに戻り移動開始。
ホームには日本でも見慣れた、コンビニ型売店が。どこも同じような形になっていくんですね。
階段を上ると、駅全体が見渡せます。大屋根が近づいてきて、迫力ある光景です。列車がたくさん止まっていると、長距離ターミナルなんだなぁと実感。この感覚、日本ではもう味わえなくなってきていますね(日本だと都市圏電車と長距離列車が混ざり合う場合が多いので…)。

さて階段を上がるとコンコース。広々とした通路は解放感があり、売店も弁当や手土産などの店が多いため、旅行気分が盛り上がります。やはり長距離列車専用ターミナルは、雰囲気が違います。

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さて改札口を出て…と言いたいところですが、韓国の一般鉄道には改札口がありません(地下鉄・近郊電車は自動改札あり)。
以前は日本と同じような改札があったのですが、列車の統廃合の結果ほぼ全列車が指定席のみとなったので、車両のハンディ端末で指定券発券状況を確認できるようにし、それと着席状況を目視照合する形で代用しました。JR東日本の指定席での検札廃止と同じ仕組みですね。なので送迎での構内入場は自由。それどころかタダ乗りもできちゃうのですが、不正乗車が見つかった場合の罰金が日本より格段に高く、発覚リスクを考えると恐ろしく、元々が安い運賃なのできちんと切符を買う人が多いようです。

改札外コンコースは、こんな感じです。

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広い空間に高い屋根、とにかく解放感があります。ほとんど空港ターミナルですね。長距離列車専用駅なので、実際の機能も空港とほぼ同一なので雰囲気も似てくるんでしょうか。
コンコース中央部にはインフォメーションセンターと、外貨両替コーナー。国際列車もないのに何故両替所が?と思わなくもないのですが、あればあったで便利です。国の中央駅なんだから、こういうのがあって当然っちゃあ当然なのかも知れません。KTXなどは実際に外国人利用も多くあるでしょうしね。

で、もうひとつ気になったのが、こちら。

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インフォメーションセンターの並びに設けられた、韓国民芸品類の紹介・販売コーナー「ハイハンドコリア」。
いわゆる土産物屋と言えばそれまでですが、実際の販売より「ショーケース」的な機能を強く意識しているようで、外国人に対しての国家イメージ向上と共に、韓国人に対して自国文化への再認識を促しているのかな、と思ったり。なかなか面白い空間でした。

そんなこんなで感心しながら、改めて目的のホームへ移動開始。


他のホームと明らかに雰囲気の違うホーム。1・2番線となっているのですが、連絡通路も仮設っぽく、なんとも違和感があります。
それは当然、こちらは長距離列車では近郊電車が発着するホームで、最近までソウル駅とは「つながっていなかった」ホーム。近郊電車は本来地下鉄へ直通するのですが、朝夕ラッシュ時のごく一部の列車が、このホームに発着するのです。なので他の列車ホームと違って、ここは地下鉄と同じ高床ホーム。本来は改札も別個なのですが、最近になり特定の「列車」の発着にも使用するようになり、仮設っぽい「連絡通路」がソウル駅側から渡された、ということなのです。


これがその「特定の列車」、ヌリロ号。
韓国では久しぶりの「電車方式の列車」で、日本のJR681系特急電車とほぼ同様の設計で、日本の日立で製造されています。
この車両は、列車用の低いホーム対応のためのステップを折り畳み式とし、畳んだ際には地下鉄(電車)用ホームでの乗降が可能になるよう設計され、韓国のどのホームでも乗降できるようになっています。それを活かし、ほとんど使われていなかったソウル駅電車用ホームを時間帯によって「列車ホーム」とし、ヌリロ号の発着に使うようになったのです。
在来施設の活用としては、韓国らしい機敏で上手く工夫されたのですが、細かいところの詰めが甘いのもまた韓国らしいところで、ホームの安全柵は通勤電車の扉配置に合わせているためヌリロ号の扉位置とは合いません。よって扉と柵が被ってしまっているのですが、そんなことケッチャナヨ(気にしない)、柵の外側を歩けば乗れるでしょうとばかりに堂々と停まっています。これには苦笑い…

ということで、ソウル駅(列車駅)をうろついてみました。
ソウル駅うろうろは後篇に続きます。