朝日小学生新聞で、4月から新しい連載がいくつか始まった。
そのひとつに、「いま、聞きたいハナシ!」がある。
世の中で活躍している人にインタヴューして紹介する記事である。
今日(4日)の記事で紹介されていたのは、ユーチューバーのドズルさんという人であった。
ドズルさんは、登録者数150万人のユーチューブチャンネル「ドズル社」の社長である。
おもにゲーム実況動画を配信し、自らも出演している。
ゲーム配信をするユーチューバーといえば、小中学生がもっとも憧れる存在である。
今、小中学生男子の、将来なりたい仕事ランキングのナンバー・ワンは、ユーチューバーである。
わたしの教室の生徒にも、ユーチューバーになりたい、という子どもが何人かいる。
ユーチューブで何をしたいのか、と聞くと、みな一様にゲーム配信、と答える。
実況しながら好きなゲームをして動画を配信する、楽しくて楽な仕事だと思っているようである。
世間のユーチューバーに対するイメージも、おそらくそんなものであろう。
記事で紹介されていたドズルさんの仕事は、そんなお気楽なものではなかった。
ドズルさんは、1本数十分から約1時間の動画を毎日配信している。
撮影は、週3日。1回5時間くらい行う。
撮影した動画を、約140人のスタッフが分担して編集する。
撮影から公開までにかかる時間は、1か月ほどだという。
これはもう、企業である。子どもたちが想像しているような、御遊びではない。
ゲームが好き、というだけでできる仕事ではない。
動画を撮影する技術、企画を考える創造力、売り上げや経費の収支を考える経営力、大手企業や自治体からの仕事を獲得するための営業力など、ひとつの企業を運営するために必要なさまざまな能力がなければやっていけない。
こういう裏側を知ることで、子どもも大人も、ユーチューバーという職業に対する見方が変わってくるだろう。
子どもは、遊びながら稼げる楽な仕事、という認識が変わるだろう。
大人は、子どもにやらせたくないいい加減な仕事、という認識を変えるだろう。
ユーチューバーという呼称がよくない。
映像制作配信企業経営者とでも呼ぶべきである。
今後まちがいなく世の中で大きな地位を占める職業になる仕事である。
この仕事の実体を、もっともっと大人にも子どもにも知ってもらいたい。
ドズルさんを紹介する「いま、聞きたいハナシ!」、わたしにとっても勉強になる、いい記事であった。
生徒たちに読ませよう。