朝日小学生新聞に、「おしごとはくぶつかん」というコーナーがある。
珍しい仕事を紹介するコーナーである。
昨日(27日)は、「歩荷」という仕事であった。「歩荷」は、「ぼっか」と読む。
記事で紹介されていたのは、尾瀬国立公園の歩荷であった。
山の中の、車ではいけない場所やヘリコプターが着陸できない場所に、歩いて荷物を運ぶ仕事である。
写真を見ると、はしごに肩掛けバンド(?)をつけたような道具に、段ボール箱を10個載せて歩いている。
荷物の重さは平均70~90㎏、重いときは140㎏になるという。
尾瀬にある山小屋へ、片道3~11kmの道のりを歩いて届けるそうだ。
力が必要なのは当然のこと、力以外にもさまざまな技術が要るらしい。
高い位置で背負ったほうが体への負担が少なくなるため、荷物を腰より上に高く積み上げる。
重心が高くなるので、簡単に転んでしまう。
腕を振ると重心が動いてバランスを崩すので、腕組みをした独特のフォームで歩く。
山にはさえぎるものがなく、風が正面から当たると転びやすいので、風のある日は直進せず左右に移動しながら歩く。
業務用エアコンを運んでいる写真もあったが、横長の荷物を頭の後ろあたりにつけた立ち姿はT字形である。
バランスをとるのも難しそうであるし、転倒したらどうやって立つのか心配になる。
本当に大変な仕事である。わたしには絶対に務まらない。
山小屋で登山者が快適に過ごせるのは、このような歩荷の人たちの縁の下の活躍のおかげである。
全国でも限られた場所の山小屋や歩荷隊で働く人を募集しているという。
この記事を読んで歩荷を目指す小学生がいるかどうか。
登山が好きな人にとっては、毎日山に登れて、トレーニングにもなり、給料ももらえる良い仕事かもしれない。
自分には到底できないし、子どもたちにも勧めようとは思わないが、このような尊い仕事があるのだと知っておきたいし、子どもたちにも知っておいてもらいたい。
世の中には、知られていないけれど立派な仕事をしている人がたくさんいるのだ。
この記事を読んで、わたしは歩荷に尊敬と感謝の念を抱いた。