チャットAIに短歌を作らせてみた ――AIと創造―― | ことのは学舎通信 ---朝霞台の小さな国語教室から---

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考える力・伝える力を育てる国語教室 ことのは学舎 の教室から、授業の様子、日々考えたこと、感じたことなどをつづっていきます。読んで下さる保護者の方に、お子様の国語力向上の助けとなる情報をご提供できたらと思っております。

 最近何かとチャットAIの話題を耳にする。役所の文書作成を任せる、とか、学生のレポートに使わせないようにする、とか、肯定的な意見も否定的な意見も、とりどりである。気になる。

 自分で試してみるしかないと思い、短歌を作らせてみた。お題は「桜」である。

 こんな短歌を作ってくれた。

 

桜散る 夢のような日 君と歩き 手をつないだら 春がはじまる

桜咲く 故郷の空に 思い寄せ 遠く離れても 心はひとつ

桜舞う 卒業の日に 涙こぼし 友と別れて 新しい道へ

桜笑う 花見の宴に 酔いしれて 明日のことは 忘れてしまおう

桜散る 別れの刻に 君と見た 最後の花びら 心に残す

 

 どれも、面白みのないありきたりな歌である。それらしいことを言ってみました、という感じのベタな歌ばかりである。

 しかし、ちゃんと歌らしい体裁のものを作ってきたのには感心した。

 小中学生が宿題で提出するには十分なレベルだと思う。ひょっとしたら、コンクールで入選するかもしれない。

 評価する側の力量が問われるであろう。

 

 昨日(21日)の朝日新聞夕刊に、AIで生成した画像が権威ある国際写真コンテストで受賞した、という記事があった。

 応募したドイツ人のアーティストは、何を写真と見なすべきか、何を見なすべきでないか、という問題提起のために応募したことを明かし、賞を辞退したという。

 コンテストの主催者は、この件についてコメントを出していないそうである。

 

 創造や表現という行為をどこまでAIに任せてよいのか。悩ましい問題である。