トルコ・シリア大地震と日本国憲法 | ことのは学舎通信 ---朝霞台の小さな国語教室から---

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考える力・伝える力を育てる国語教室 ことのは学舎 の教室から、授業の様子、日々考えたこと、感じたことなどをつづっていきます。読んで下さる保護者の方に、お子様の国語力向上の助けとなる情報をご提供できたらと思っております。

 トルコ・シリア大地震の犠牲者が4万人を超えた。

 被災者は亡くなった方だけではない。

 WHOによれば、両国で2600万人の人々が支援を必要としているという。

 

 家も仕事も失い、寒さと飢えにさらされている人々のことを、自分は今、暖房の効いた快適な部屋で考えている。心苦しい。

 パソコンに向かって駄文を打ち込んでいる場合ではない。

 

 日本国民として、何ができるか。

 何もできないかもしれないが、せめて考えるだけは考えてみようと思う。

 

 憲法前文を読んでいる。

 

 われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する

 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立とうとする各国の責務であると信ずる。

 日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。

 

 わたしたちの国家がやるべきことは、敵国に向けて先制攻撃の準備をすることではない。

 同じ地球の仲間が「恐怖と欠乏から免がれ、平和のうちに生存する」ために、支援しなければならない。

 日本には、災害救助の経験が豊富な組織が存在する。東日本大震災の際に被災地において献身的に救助活動をしたことは、記憶に新しい。この組織を、トルコ・シリアのために役立てることはできないものか。

 財源もあるはずである。敵地攻撃のためにアメリカからミサイルを購入するための予算を、トルコとシリアの人々の支援に回せばよい。

 

 われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

 

 日本国民として(国家の名誉にかけようとは思わないが)、「全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成すること」に努めたいと思う。

 暖かい部屋のパソコンの前で思っているだけではしょうがないのだが。