ことのは学舎の国語教室で、ガンジーの伝記(『10分で読める伝記4年生』所収)を読みました。
ガンジーが生まれたころのインドは、イギリスに植民地として支配されていました。インドの人々は、イギリス人から差別され、労働力として使われ、虐待されていました。
ガンジーがイギリスの支配と闘うために採った方法が、無抵抗不服従です。
イギリス人による暴力に対して抵抗しない。その一方で、暴力を受けても服従しない。
イギリス人の暴力によって殺される人もいます。命を守るためには、暴力で抵抗したくなります。暴力で抵抗すれば、イギリス人も命を失います。インド人の暴力に対して、イギリス人も暴力で反撃します。こうして暴力が暴力の連鎖を生み、多くの命が失われることを、ガンジーは知っていました。
仲間の命が奪われても抵抗しないでいることは、簡単なことではありません。仲間を見殺しにしたように思われるかもしれません。しかし、長い目で見れば、無抵抗によって戦った方が、はるかに犠牲者は少なくなります。
暴力で支配することが間違いであることを訴えるために暴力を用いることは、矛盾しています。
暴力を使う相手を暴力で抑え込めば、相手は暴力が有効な手段であると考えます。永遠に暴力は続きます。
相手に暴力が無意味であることを分からせるためには、自分たちが暴力を用いないこと、そして、暴力に屈しないことが必要なのです。
暴力を抑えるために暴力を用いている間は、本当の平和は実現しません。
ガンジーの戦い、そして勝利から、わたしたちは学ばなければなりません。