ことのは学舎の国語教室、今日の最初の知識コーナーは、「宝の持ち腐れ」ということわざを採り上げました。
ほかのことわざを用意していたのですが、国語の前の算数の授業で、生徒たちが不注意な計算間違いや、問題文の読み違いをたくさんしていたので、急遽このことわざにしました。
十分な計算力と読解力があるのに、その能力を発揮しないのは、「宝の持ち腐れ」だ、という話に持っていって、算数と国語の授業につながりを持たせました。
これがきっかけになって、算数の問題を解くときに、計算力や読解力を「宝の持ち腐れ」にしていないか、と意識するようになってくれるとよいと思います。
考えてみると、わたしたちの身の回りは「宝の持ち腐れ」だらけです。
わたしの本棚には買ってきたけれど読んでいない、世界の名作がたくさん並んでいます。「宝の持ち腐れ」です。
子どもたち、体力も知能も精神もどんどん成長する時期に、スマホやゲーム機にかじりついています。無限の可能性が台無しになっています。「宝の持ち腐れ」です。
大谷翔平選手は今年も二刀流で大活躍しました。
従来は、投手は投手に専念し、登板のない日は出場しないのが当たり前でした。登板のある日も指名打者を使って自分は打席に立たないものでした。
投手が野手よりもバッティングの能力が劣っているとは限りません。
優れた打力を持ちながら、投手だからと言う理由で打撃の能力を発揮していない選手がまだまだいるかもしれません。「宝の持ち腐れ」です。
大谷選手の活躍をきっかけに、常識に囚われずに二刀流に挑戦する選手がたくさん現れたら、野球がもっと面白くなるでしょう。
「宝の持ち腐れ」には、良い「宝の持ち腐れ」もあります。
ロシアの核兵器、北朝鮮の弾道ミサイル。せっかく持っているのだから使わないのは「宝の持ち腐れ」だと言って、一発撃ってみようか、ということになっては困ります。「宝の持ち腐れ」のままにしておいて下さい。
日本にも自衛隊という、立派な軍隊があります。強力な戦力を持っていますが、平和憲法のおかげで「宝の持ち腐れ」になっています。
「宝の持ち腐れ」のままでいて欲しいと思います。
くれぐれも、平和憲法のほうを「宝の持ち腐れ」にしないように、気をつけていきたい。