前置き
2018年に「廃道を歩く」を洋泉社から上梓しました。が、洋泉社が解散し、絶版。
けっこうな部数刷っていたので、解散時にもどこかに在庫があったと思うのですが、行方はわからずじまい。
いままで寄稿はいくつかしていましたが、「廃道を歩く」は初の単著でした。なので、この世のどこかに在庫があれば嬉しいと思いますが、おそらくは裁断され溶かされて消滅しているでしょう。
というわけで、いま出回っているのは中古しかなく、先日中古サイトを見たら定価の倍額くらいの値付けになっていて驚きました。これはなぁ。
契約書を見直すと、文章の権利は私にある。せっかく誕生したのに溶かされ消えていった「廃道を歩く」の供養に、たまーに内容をブログに載せていっちゃおうかなーと思いつきました。ご購入いただいたお客様、どうかご寛恕くださいませ。
*5年前といまより若い感性で書いたものであるため、耐えられずツッコミを挿入している場合があります。また、接続語などを手直ししている場合もあります。
といことで、「廃道を歩く」54ページから
コラム「きっかけ」
趣味と聞かれて“ネットサーフィン”と答えるのが割とナウかった頃(そんな時代は果たしてあったのかは疑問だ)。私は10年落ちのキャロルから新車のアクセラへと車を買い替え、「納車されたらどこに行こうかな」と、毎夜ネットサーフォンをして検討していた。
当時はいわゆる秘湯巡りが好きで、切明や湯の泉、尻焼き温泉を目的地にロングドライブをすることが多かったが、なんとなくもっと「違うところ」に行きたいという渇望みたいなものがあった。しかし、「違うところ」というのが一体どこなのかわからない。
もともと江戸川乱歩が好きで、BUCK-TICKが好きで、デカダンスや耽美なものが大好きだったから、「ハマるかな」と廃墟サイトを見てみたけれど、ちょっと違う。あんまり他人のことに興味がないせいか、人様の家の中を見てもあまりトキめかなかったし、なにかごめんなさいって気持ちになった(この時に見たのが廃工場や廃鉱山だったらきっとトキめいていた気がするが、たまたま見ていなかった)。そのまま流れ流れて廃線サイト…うーん、三半規管弱いから乗り物全般苦手なのよね、車両とか全く覚えられそうにないや…気の向くままにサイトからサイトへ。まるで花から花へ渡り歩く蝶のように…言い過ぎた、パジャマでメガネでビール片手にパソコンの前でうだうだしてる「ただのオタク」である。
まぁ、それはともかく。とある廃線サイトで”廃道”ってワードを見つけた。なんだこりゃ。聞いたことがないぞ。もしかして街道とか古道のことかしら。それは興味がないのよね、大岡越前や遠山の金さんは好きだけど、江戸時代のことまで想像力がないから…と、思いつつクリックすると、そこは私の知らない世界だった。
朽ちたガードレール、蔦が巻き付いた標識。ひび割れた舗装に真っ暗なトンネル。まるで世界の終りだ。
私がいままで当たり前に使ってきた道路が棄てられているなんて、想像したこともなかった。でも、そう認識した瞬間に沁み渡る納得感。新しくバイパスができましたってニュースがあれば、その陰で使われなくなる道路があってもおかしくない、いやむしろ必ずあるはず。なんで今まで考えたことがなかったんだろう。
続く
このリュック愛用中。日帰りはワークマン。一泊、または荷物の多いときはこのクーラ40。
かぶせるタイプが苦手で、見つけたときに即購入。気に入ってます。真ん中に仕切りがあるのは好みが分かれそうだけど、解放できるから、よいと思うの。
もしかしたらこんなに静電気起きているのは自分だけかもしれない。今日、知人が来たので触ってもらったけどなんともなかった。。。なんだろ、静電気体質なのかな。
パチパチしなければ、本当にこれは手触りもいいし。縫製もいいし、モバイルバッテリーも付属してるしで大満足。こたつ替わりにして、昼寝最高。