山籠り修行

の続き



唯一の就職先である牧場を蹴って、
違う就職先を考えることになった15歳の頃の僕


どうしようかな
でも何とかなりそうな気がする。


今も昔も、
変な自信だけは誰よりも持ち合わせている


ちょうど、どこで働こうかと考えていた時に実家がやっていた雑貨店が移転するという話が出ていたので


「そこで僕も働かせてよ」


と、お願いしてみた。


家から車で1時間の所にその雑貨店はあった


まだ15歳で車の免許は無いし、僕の地元である熊本県南小国町では電車が通ってない。


そのため雑貨店まで通う手段が無い


そうだ!じゃあお店の周辺に住めばいいか。


当たり前だが家を借りて住むには家賃がかかる。


しかし、中学校を出たばかりの僕には家賃を払える収入が無い


ここで親に頼って家賃を払ってもらい、1人暮らしをさせてもらうぐらいなら、そこで働く意味が無いと思ったし、


プロレスラーになる。

高校に行かない。


ここまで自分の思うがままを貫いたのに、今さら親に頼るのがすごく嫌だった。







ちょうどその雑貨店の駐車場に、椎葉家が所有していた廃車予定のミニバン車があったので、それを指差して言った


「ここに住む」


こうして中学校を卒業して5日後、車の中での生活が始まった。

とりあえず住めればいい。場所はどこでも良し。


シートを全部フラットに倒して、布団を敷き詰めて新居の完成だ


僕は目をキラキラさせていた。


親元を離れて1人暮らしをすることに凄く憧れていたので、家がどこだろうと関係ない


1人暮らしが出来る夢が叶ったので、とにかくそのことで舞い上がっていた。


お風呂は近所に50円で入れる銭湯があったので、そこに毎日通って、

筋トレは仕事が終わった後に近くを走ったり、公園で腕立て伏せやスクワットをしたり、


今考えたら凄いことしてたなと思うけど、1人暮らしが出来る喜びで毎日毎日楽しかった。


1度言い出したら聞かない性格なのは両親が1番知っているので、その事に関しては何も言わなかったし、止められなかった。



ちなみにその頃、彼女が出来たけど、普通に車に遊びに来てた。その彼女もなかなかの強者でした。



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