毎日毎日電話して猛アタック

の続き




中学校を卒業して働く。


とは言ったものの、どうやって働くところを探せばいいか分からない。


今のようにネットもそこまで普及していなかったので、先生の勧めで母親とハローワークに行ってみることにした。



「ここしかありませんね」


熊本の田舎だったからなのか分からないが、
中卒で雇ってくれるところは住み込みで働く山奥の牧場1件だけしかなかった。

人がいるところまで、歩いて1時間以上かかりそうな山奥の牧場に18歳になるまで3年間住み込んで働く


(いいね、山籠り修行みたいで!)

テンションが上がった

映画ロッキーや、ドラゴンボールの世界が大好きだった僕は、修行という言葉に憧れていた。
ここで山に篭りながら修行すれば、必ず強くなれるはずだ。


「ここにします」と口に出しかけた時、


一緒に来ていた母が、不安そうな顔をしながら口を開いた


母「ここの牧場は、あまり評判が良くないから」



嘘だ。


すぐに分かった。この牧場のことなんか今初めて知ったはずだ。


あの時はプロレスをすることで頭がいっぱいだったので、親の気持ちなんか一度も考えたことがなかったけど、息子がプロレスラーになりたいだけでは無く、高校にも行かず、人里離れたところで山籠りをしようとしているとなれば不安に決まっている。



琴「そうだね、ここは辞めておこうか。」



反抗期真っ只中だったけど、心配そうな母の顔が見てられなくて違う方法を考えることにした。



ちなみに弟が入門した時、プロレスラーの親がみんな心配しているという気持ちが凄く分かりました。


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新居は車の中