※本稿は9月21日の續きになります。
 
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日本を愛した外國人 26

                  草稿  小林 隆



第一章 日本讃歌 その壱

ヴェンセスラウ・デ・モラエス編 26
 


 



モラエスの日本観  6

(併せてローエルの日本観)





*德島でのモラエス(モラエス記念館所蔵写真)



  

 
 モラエスは、
 自分も白人でありながら
 なぜこの様な自虐的とも
 言える文章を書いたのでしょうか。


 それは『日本歴史』の最後の文章にあったと思われます。


「今や活動力と精力との
 まことに特異な天賦を顕して
 世界の土俵に姿を見せている日本国民、
 その日本人たちの
 希求するとおりの神々の国民、
 その国民こそは、
 その出てきたところの、
 明かにその昔の民族的遺伝を
 もたらしてきたところの大陸と
 他のあらゆるアリアン民族とを収攬すべき、
 はたまた、ヨーロッパに侵入し、
 アフリカに侵入し、
 アメリカに侵入して、
 その血と思想との影響によって
 西洋の腐爛ふらんした民族を更生させて、
 全世界に拡がるべき
 自己の運命の素晴らしさを
 持ってきたのであるか・・・・。」




 モラエスの考えていたことは、

 「日本人たちの希求する」

 というところが、世界中よき影響を
 与えるという考えではなかったのでしょうか。


 その「日本人の希求する」ものとは
 一体何であったのでしょうか。


 これが書かれたのは
 戦前の1920年頃でありますが、
 その頃、日本においては


 『大東亞共榮圏の實現』


 を国民のすべてが思い描いていました。


 さて、今の日本では
 『大東亜共栄圏』というと
 軍国主義日本のアジア諸国への
 侵略思想というイメージが
 定着してしまった感があります。


 しかし、この『大東亜共栄圏』は、
 そのようなものでは決してなかったのであります。


 当時の世界では白人の有色人種支配が
 ほぼ完全に世界地図を塗りつぶしていました。


 そんな状況の中で
 この『大東亜共栄圏』という
 考え方は生まれてきたのです。


 「大東亜」とは東アジアのこと。


 共栄圏は共に栄えんという考え方であります。


 すなわち白人支配からの解放を実現して、
 共に繁栄しようという考え方であります。


(次回に續く)











日本は