「潮時」という言葉の意味は、そろそろ引き際のタイミングという意味だと思っていたが、実は違うのだと知った。
「潮時」はあくまで「ちょうどいい時期」という意味で、必ずしもややめる場合に限らないのだそうだ。
潮が満ちたり引いたりするときのことを指す言葉なので、確かに意味を考えればそうなる。
「今が潮時」なんて引退の時の定形表現なのでそのように思い込んでいたが、辞書でも「物事を始めたり終えたりするのに、適当な時機。好機。」などと書かれている。
勝負に出る「潮時」もあるということになるが、勘違いのまま50余年生きてきたので今さらの違和感である。
もしかすると「引き潮」と「引き際」が混じって勘違いしていたのかもしれない。
「煮詰まる」も、もともとは「議論が十分になされて解決に近づくこと」という意味だったのが、「行き詰まる」という意味で使う人が多いという。かく言う私もそう思っていた。
こちらも料理で考えれば完成に近づいている状態なのだから本来の意味が正しいのだろうが、私の頭の中では勘違いのままで修正するのは難しい。
これも「行き詰まる」と「煮詰まる」が混同されてしまったのだろうか。
以前、「役不足」という言葉を間違って使ったメールを出し恥をかいたが、
今でもこのような勘違いが見つかるのだからもっといろいろあるはずだ。
もしかすると言葉の意味を間違って使って人を傷つけたこともあるかもしれない。
そんなことを考えると改めて言葉を使うことの重さを感じる。
こうして書いている文章でも、なにか恥をさらしていないだろうか、不安不安。