一方ロシアは鉛筆を使った。 | 寿建設 社長ブログ

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福島県福島市にある建設会社です。
会社や現場の取り組み、
日々の仕事や取り組みの中での
エピソードや思うことを綴ります。

2024年4月からの労働時間上限規制に向けて、当社としても数年前から準備を進めてきたつもりだ。

「残業やめればいいだけじゃん」と簡単に片づけられないほど課題が多種多様で、就業規則関係を変更したり勤怠管理システムを導入したりいろいろと勉強しながら小さく一歩一歩前進してきた。

特に当社は昼夜作業するトンネル工事をやっているので非常にハードルが高い。山が悪くなったり急変事態も多いため、途中で作業を止められないケースも多い。

 

「残業を減らせ」と一方的に命令するだけの経営者であってはいけないと思うので、具体的に方向性を示さねばならないと考えている。

その一環として、現場での作業時間を軽減すべく生成AIも含む情報技術系の最新技術導入も試行中で、何かと費用もかかっている。

 

労働時間を短くしながらもしっかりと成果を出すには「手段を変える」ことがもっとも重要だと私は思う。今までと同じやり方では時間短縮が無理なら、違う方法を模索しなければならない。
そのためにはその仕事の目的をしっかりに認識することから始まると思う。

目的を認識することが、手段を変える重要なポイントだからだ。

東京に行く、という目的が分かれば、新幹線でなく車で行く、と手段を変える発想が出来る。簡単なようで実はそれがなかなか出来ないものなのだ。

 

そうした考えをするためのヒントとして、以前も紹介した「マズローのハンマーの法則」の話をよく思い出す。

以下再掲載するので参考までにご一読下さい。

 

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先日日経新聞の記事を読んで早速購入した本。

https://ameblo.jp/kotobuki5430511/entry-12444487690.html

仕掛学―人を動かすアイデアのつくり方 仕掛学―人を動かすアイデアのつくり方

1,620円

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サブタイトルの通り、「人を動かすアイデアのつくり方」を研究し、分かりやすく整理した本である。

面白くないはずはない。

 

論理的に説明されているので、いちいちうなずき、考えながら読み進めた。

今まで自分もいろんな仕掛けをしてきたが、それらの意味を自分なりにも整理出来て大いにヒントがたくさんある本であった。

 

本の最後で紹介されていた、「マズローのハンマーの法則」という人間の本質を突いた考えを知って驚いた。それは「ハンマーを持てば、全てが釘に見える」という、つまりは問題に対して人間は自分の得意な手法にこだわっていまう特性のことをいっている。

 

問題に直面したとき、技術に詳しい人ほど自分の技術にとらわれてしまい、使う必要のない技術をわざわざ使って簡単な問題を難しく解決しようとする。

(本文より抜粋)

 

その例として、以下のアメリカンジョークを紹介している。

 

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アメリカのNASAは、宇宙飛行士を最初に宇宙に送り込んだとき、無重力状態ではボールペンが書けないことを発見した。これではボールペンを持って行っても役に立たない。NASAの科学者たちはこの問題に立ち向かうべく、10年の歳月と120億ドルの開発費をかけて研究を重ねた。

その結果ついに、無重力でも上下逆にしても水の中でも氷点下でも摂氏300度でも、どんな状況下でもどんな表面にでも書けるボールペンを開発した。

 

一方ロシアは鉛筆を使った。

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笑えるほど「まさに」である。

私もいろんな問題を自分たちで解決しようと四苦八苦したのに、人に相談したらあっという間に解決したことはよくある。

それが「一方ロシアは鉛筆を使った。」という言葉が象徴的で、実に分かりやすい!

 

これからは発想を変えて「一方ロシアは鉛筆を使った。」を見つけることが重要だと確認した。