現在、当社の本社ビル内部を改築中である。
詳細は完成後にお伝えしたいと思うが、いよいよ私の部屋のフロアも工事が始まるにあたり、大量にある古い資料を再整理したり破棄したり、はたまたデジタル化しているところだ。
●参考 当社の書類デジタル化の取り組み
そんな中でどうするか迷ったのが引退の際に父から預かった大量の名刺である。分厚いチューブファイル5冊分に、会社名の「あいうえお順」に整理されている。
書棚の一列ほどのスペースを取ってしまうほどのボリュームだ。
改めて開いて見ると、昭和の時代からの大量の名刺はほとんど存じあげない方であり、今後保管しても活用する機会はない。
しかしながら父が数十年かけて整理したであろう名刺を一括破棄するのもあんまりのことと思い、すべての名刺を確認して私自身が知っていて父も会社も特にお世話になったと思われる方の名刺だけを残してから破棄することにした。
ずっしり重いファイルを開いて名刺ホルダー台紙(というらしい)をめくりながら目を通していく。そして残すべき名刺を決めたら抜いて分け、他は「すいません」という気持ちを込めてゴミ袋に破棄していった。
休日に自宅で実施したその作業、実に約7時間を要した。
それなりに大変であったが、名刺を見ながら「ああこの方の話を聞いたことがあるな」とか「この所長は怖かった~」など、記憶から消えかかっていた方の存在を思い出しながらの時間でもあった。
結果、中くらいの大きさのゴミ袋に2枚分に名刺が入った。
あまりもすごい量で持ち上げるにも結構な力がいるので、気になって体重計で測ってみたところ、実に7.9㎏。
数にしたら数千枚はあるのであろう。
そしてすべての名刺を取り出して残った、空の名刺ホルダー台紙がこれだけ。
高さを測ると、18㎝であった。
こんなボリュームの歴史を破棄していいものか、事後に考えてしまったが今さら遅い。戻す作業手間はもっとかかるであろう。
父がこれほどの多くの方に会って名刺まで大事にしてきたことが、現在の当社の礎であることを実感したことに意義があったと思うようにした。
ちなみに父と会社の歴史については、8年前の会社設立50周年の際に書いてもらった自伝を書籍化している。