利他 | 寿建設 社長ブログ

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福島県福島市にある建設会社です。
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夏の甲子園で仙台育英高校が東北勢初の優勝を果たした。

私は普段スポーツ関係のニュースには関心が薄くあまり目を通さないのだが、さすがにこのニュースは嬉しく思った(当社本社から車で10分圏内にある聖光学院もベスト4まで残るという大活躍であった)。

 

ネットニュースで監督の優勝インタビューがとても感動的だったという記事を読み、早速動画で見てみた。

「初優勝おめでとうございます。」という最初の問いかけに対する答えにまず驚いた。

それが

「宮城のみなさん、東北のみなさん、おめでとうございます!」

という言葉であった。

自分たちの喜びを語るのではなく、長年優勝を待っていた宮城県や東北地方の方々に対する気持ちのメッセージなのである。

 

以降もご自身の話はまったくなく、応援して下さった方や、選手たちへの思いばかりを語っておられた。

最後の一言がまさに象徴的だと思った。

「今日の下関国際さんもそうですけど、大阪桐蔭さんとか、そういう目標になるチームがあったから、どんなときでも、あきらめないで暗い中でも走っていけたので。本当に、すべての高校生の努力のたまものが、ただただ最後、僕たちがここに立ったというだけなので、ぜひ全国の高校生に拍手してもらえたらなと思います。」

 

自分のチームだけでなく、コロナ禍で苦労しながらも目標がんばっているすべての高校生に対するメッセージとなっているのだ。

※インタビュー全文

https://4years.asahi.com/article/14700659

先週ご逝去された、「経営の神様」と呼ばれた稲盛和夫さんは「利他(りた)の心」の大切さをずっと訴えてこられた。

「自分がよければいい」という「利己」という考えと真逆の、「自分を犠牲にしても他人を助けよう」とするのが「利他(りた)」であり、自社の利益を優先すべきであろう経営者の常識とは思えない考えのようだが、こうした気持ちで組織を運営し社会に接することがよい成果を導くということであろうと私は理解している(もっと奥深いのだがここではそういうことでご理解願いたい)。

※稲盛和夫さんの言葉

https://www.kyocera.co.jp/inamori/philosophy/words25.html

 

今回の仙台育英高校の偉業も、そうした意識が徹底されたゆえの成果なのではないかと、このインタビューを聞いて感じた。

 

以前読んだ本の中にあった、こんな言葉も改めて思い出す。

人間はなぜ、はたらかなくてはいけないか?

それは「端(はた)を楽にさせる」ためなんです。

つまり、「はたをらく」に、で「はたらく」。

周りの人たちを楽にさせる、楽しませるためにはたらくということ。

(加藤寿賀/なぜ、はたらくのか 94歳・女性理容師の遺言)

 

人間は、自分のためにではなく、自分以外の他者のために生きるときに、パフォーマンスが最大化するようにでき上がっている。

(平川克美/「あまのじゃく」に考える)

 

上所重助さんの「おかげさま」という詩にも そんな思いがこもっているといえる。

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煩悩の塊である私なんぞが100%そうした精神になるにはかなり遠い道のりであることは自覚しているが、少なくとも根底にそうした気持ちを持って仕事に向き合いたいと思う。