私たちはいつまで危険な場所に住み続けるのか | 寿建設 社長ブログ

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福島県福島市にある建設会社です。
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特に10年前の東日本大震災以降、国内では毎年のように甚大な被害を起こす自然災害が発生している。

地震、津波、台風、豪雨、洪水、土砂崩れ、火山…、さまざまな形で自然が猛威を奮い、全国各地で広範囲な大きなダメージを受けている。

「かつてないほどの」「数十年に一度の」「想定外の」というたぐいの言葉をこの10年で何度聞いたことであろう。

もはや「ここだけは安心」といえるような地域はないようだ。

 

1ヶ月ほど前に発売された「私たちはいつまで危険な場所に住み続けるのか」という本は、日経アーキテクチュア、日経コンストラクションという専門誌の記者さんたちが、近年起こった自然災害の現場で起こったことを詳細に取材し、図や写真などを用いて専門知識がなくてもイメージしやすい内容で説明している。

よく読むと対策を講じていたにも関わらず、その想定を超えて被災した事例も多い。

(今年7月に発生した熱海の土砂崩れ災害についても掲載)

私自身もこの10年にいろんな災害を経験したつもりだが、災害のメカニズムなど読んで学ぶべきことは非常に多かった。

 

そしてこの本は、今後のそれで終わらせてはいけない本である。

この現実を受け止めて、各地域が地域のあり方、まちのあり方に反映させ、これからの地域づくりに早急に生かすべき本だと思う。

「まちづくりは人づくり」という言葉があって、人材のあり方が重要視することはそれは確かにそうであろう。

だが近年さらに激しさが増したといえる災害大国において、人が安心して仕事や生活が出来るハードの意味でのまちづくりをしっかりしていかないと社会は成立しないはずだ。

 

この本は専門家や関係者のためでなく、一般の方や政治や行政に関わる方にも読んでいただきたい、いや読んでいただかないとならない本であると私は思う。

だからこそ問題提起としてのタイトルなのだ。