以前「オレオレ詐欺」と称された手口は近年さらに巧妙かつ手法も多岐に亘り、現在は「特殊詐欺」と称されているらしい。
警視庁の特殊詐欺対策ページでは、以下のように定義づけされている。
被害者に電話をかけるなどして対面することなく信頼させ、
指定した預貯金口座への振込みその他の方法により、
不特定多数の者から現金等をだまし取る犯罪を特殊詐欺といいます。
https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/case/
2020年の特殊詐欺の被害は、前年より19.7%と大幅に減ったもののそれでも1万3526件あり、被害総額も12%減だが277億8000万円だったそうだ。
国内で1日当たりの被害額は約7590万円。毎日これほどのお金が搾取されていると想像すると恐ろしい。
過去最高だったのが被害総額565億5000万円だった2014年で、この年と比べるとほぼ半減したことになるが、それにしてもすごい数字である。
そして、それだけの金銭的損失と計り知れない精神的損失を受けている方が万単位でいらっしゃることは、本当に痛ましいことだと思う。
知らない人に対面することなく接近してその相手を信用させ、高額のお金を払わせる。
当社も工事を受注するためにあの手この手を尽くすものだが、こんな魔法のようなテクニックは想像もつかない。
会って仕事して、さらにプラスした行動を積み重ねてこそ信用は生まれると信じているのだが、嘘を重ねた1回こっきりのこととはいえ会ったことのない人を短時間で信用させて送金させるなんて、およそ検討がつかない。
すさまじい営業の腕である。
ふと思うのだが、こんな芸当が出来る人がなぜ犯罪に走るのだろう。
この能力をうまく通常の企業活動に活かせば、超一流の営業マンになるのだと思うのだが。
具体的に、どんなやりとりをしているのかも知りたいものだ。
模倣犯を防ぐために公開しないのかもしれないが、公開して類似被害を防ぐという考え方もある。
営業のテクニックとしていろんなヒントがあるような気がするのだがどうであろう。
知恵は悪事に活かさず、よいことに活用すべきはずと思う。