小学生の頃、第1回目の放送から夢中になって観たアニメ「未来少年コナン」のことは、今でもはっきり覚えている。
1978年の作品なので私は10歳の頃である。現場の宿舎暮らしから福島市でいわゆる「家」の生活が始まって間もなくの頃だ。
当時祖父も同居していて、居間に一台あったテレビのチャンネル権はその祖父にあったように記憶する。朝はNHKのニュースが流れているのだが、ある日その途中に流れたこの「未来少年コナン」の告知が実に魅力的で、第1回から観始めたのをよく覚えている。
次から次へと変わっていく予想もつかない展開と、登場する多くのキャラクターの魅力で、毎週火曜の夜が待ち遠しかった。
最終話(第26話)「大団円」の爽快さも見事で、文句なしのシリーズ作品であった。
インターネットで全話が無料公開されていると知って、早速第1話を拝見。
冒頭で物語の設定が語られているのだが、西暦2008年に最終戦争が勃発し、五大陸は変形し、多くの都市が海中に没し、その20年後というところから始まっている。
つまり2028年である。
まずそのことに驚いた。当時、2008年にそんなことが起こりえるという想像がされたのだ。
そして冒頭より鮫と戦うシーン、美少女ラナの登場、交流、そして飛行艇が現れてそのラナを連れ去っていく、というグイグイ引き付けられる30分であった。
40年前のワクワクが少しだけ蘇り、今後全作を観ずにはいられない気持ちになっている。
ご存じの方が多いと思うが、あの宮崎駿監督の、実質初監督作品である。
その後に製作された、「ルパン三世カリオストロの城」や「天空の城ラピュタ」を彷彿させるシーンが数々ある。
未見の方がいらしたら、ぜひこの第一話をご覧いただきたい。
※美少女であると記憶しているラナが、どうもかわいくないと思ったのだが、調べたところ宮崎監督もそう感じて第2話から自分で描くようになったのだとか。