面白い話を聞いた。
日本の地下鉄のゴミ箱は、透明で中身が見えるようになっている。
その理由はこういうことらしい。
「何が捨てられているか、外からひと目で見えるため、不審物チェックやテロ対策など、警備面で大きな効果が期待されています。」
以下参照
http://pvc.or.jp/contents/news/53-07.html
テロ対策の専門家からすると、これが「信じられない」ことらしい。
そもそもテロリストが爆弾を仕掛けるとして、いかにも爆弾に見えるものを入れるわけがない、と。
実行する際は必ず巧妙に隠して入れるはずである。確かにそうだ。
しかも、このゴミ箱が爆発すると、その透明部分が飛散してリスクが高くなるはずではというのだ。
そして、テロに非常に敏感なアメリカの地下鉄のゴミ箱を紹介していた。
これである。
頑強な構造で、かなりの程度の爆発には耐えられそうだ。
しかも爆発が起こると上の蓋の部分が上に向かって飛ぶような作りになっているという。
そうすると飛散による被害は最小だという考えだ。
そしてご覧の通り、透明ではない。
透明にすれば見えるから危険物を入れないだろうという考えと、巧妙に危険物が入れられて爆発したらどうなるかかという考え方で、こうまでも対応が違う。
リスクの意識の違いである。
専門家は、「日本のセキュリティはテロリストから見れば本当になんでも出来るレベル」と指摘していた。
確かに言われればその通りかもしれない。
建設現場における労働災害防止のため、「安全」については常に勉強したり、考えたりしているつもりである。
そんな私は、安全対策に100点はない、と思っている。
可能性が極めて低いことに対して大がかりな対策をすることは、お金もかかったり本来の目的を妨害することにもなり得る。
あとはどこが適切かという判断になってくる。
結果何事かが起こると「対策が甘い」と非難されるが、実は難しい判断どころであるのだ。