当社が下請として難易度が極めて高い活線拡幅掘削(トンネル内で現道を通しながらトンネル断面を広げて掘っていく)を担当させていただき、その他にもいろいろとご苦労の多かった工事
http://ameblo.jp/kotobuki5430511/entry-12215475566.html
が発注者表彰を受賞した、とお世話になった所長さんからご丁寧なメールを頂戴した。
そのメールの最後に「PS」としてこんな文章が添えられていた。
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当作業所には、CさんとKさんという二人の女性に工務と事務をしていただいていました。
この二人は、我々が事務所から現場に向かうときに、必ず「行ってらっしゃい」と元気に声を掛けてくれました。
もともとそれぞれがテキトーにそれぞれのタイミングで黙ってスッと出かけていた我々は、最初はその声がけに戸惑い「はぁ、はい」などと曖昧に返事を返していました。
ところが我々もだんだんと慣れてきて、「行ってらっしゃい!」と言われると「行ってきます!」と答えるようになり、ついには我々の方から「行ってきます!」と声を掛けるようにさえなりました。
彼女たちの「行ってらっしゃい!」「おかえりなさい!」と我々の「行ってきます!」「ただいま!」は、2年半の現場の間、毎日毎回ずっと続きました。
後日談があります。現場が終わったずっと後、最近になって彼女達からこんな話を聞きました。
「知っていますか?行ってらっしゃいという言葉は“行って”“いらっしゃい”。つまり、行って無事帰っていらっしゃいっていう意味なんです。行ってきますは、“行って”“来ます”。行って、無事に帰ります、という意味なんですよ。」
彼女達は、危険の伴うトンネル工事現場に向かう我々を、毎日毎回「無事に帰ってきて下さい」という祈りを込めて送り出していてくれたのです。
ウルトラC級の難工事であったにも関わらず、我々が一人の負傷者も出さずに現場を終えることができたのはきっと、彼女達の祈りが通じたからなんだ、と私は思っています。
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思いを込めた言葉は必ず相手に伝わるということを実感する話で、なんだかとても感動した。
漠然と仕事をこなすのではなく、こんなふうに思いを込めた取り組みを積み重ねたいものだ。