円形分水 | 寿建設 社長ブログ

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前回説明した「通潤橋」の上流に、「円形分水」というのがあると聞き、翌日訪問した。
よく意味が分かっていなかったが、これもまたすばらしい知恵である。

これはここ独自の技術ではなく、全国的に用いられたものであるが、私は初めて知った次第。

 

「通潤橋」に限らず、日本の土木の歴史には水を確保するための大事業が多い。
福島県でも明治初期の「安積疎水」という大事業により、現在の郡山周辺の発展のきっかけになった。
http://ameblo.jp/kotobuki5430511/entry-12105648215.html

 

それだけ「水」は重要であり、かつてはその権利争いを巡ってはさまざまな騒動があった。
同一の水源あるいは水路から新たな水路を引いて灌漑や生活用水を分配する「分水」は、とても重要であったのは当然である。
分水の施設で、いかに定められた分配の通り正確に水を分けられるかさまざなな工夫がされ、その完成形がこの円形分水のようだ。

 

これが今回見た円形分水。

上流からの水はいったんサイフォン原理を利用して下からこの円形の枠の下から湧き上がり、均等に枠外に均等にこぼれていく。
そして定めた7:3の比率になるよう分配の仕切りを設け、それぞれの地区へと水は水路を使って流れていく。
一見して明らかに水は比率通り配分されていることが分かる、という施設なのだ。

 

土木遺産を見て理解するという行為は、社会、地理、歴史、技術、文化などなど、多くのことを学ぶ機会であることを実感した。


全国各地の円形分水
https://matome.naver.jp/odai/2144944778861431301