顧客満足 | 寿建設 社長ブログ

寿建設 社長ブログ

福島県福島市にある建設会社です。
会社や現場の取り組み、
日々の仕事や取り組みの中での
エピソードや思うことを綴ります。

愛知県に氷室建設という解体工事を主体とした建設会社があるそうだ。
この会社、前科者や引きこもり、ニート、薬物経験者、虐待経験者など、過去に問題のあった子たちをどんどん採用しているという。
そして正面から向き合って教育し、「仲間」として育てているのだそうだ。

 

愛読している「みやざき中央新聞」にその会社の社長さんの記事が出ていた。

社長さんはある時、社員たちにこんな話をしたそうだ。
「これからの時代はCS、すなわちお客さんを満足させてなんぼだ。でもオレたち解体業は形やモノを壊す仕事だから、なかなかそれが難しい。でもやっぱり大事なのはその『顧客満足』だから、とにかくその意識は持っていよう。何をするかはこれから見つければいいから」

 

講演会で、この言葉に続いて話した内容を文章にした「みやざき中央新聞」の記事を以下転載する。


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次の日は現場の最終日でした。
狭い現場で、それまであったコンクリートの通路を工事の際に撤去していたので、道がガタガタになっていました。
その道の奥にはおばあちゃんと息子さん夫婦が住む家があり、おばあちゃんは毎日そのでこぼこ道を手押し車を押して歩くのでとても大変そうでした。

カンペイ(注釈…幹部社員)はその光景を見たとき、「これだ!」と思ったんです。
そして6万円くらいの材料費をかけて新しい道を作りました。誰かに頼まれたわけじゃなく、自発的に。

 

現場のトップはスーパーゼネコンの建設会社です。その下に大きな解体屋さんがいて、うちはその下で働いていました。だから、そのままにしていてもうちとしては何の問題もないのですが、「お客さんを喜ばせるために」と考えたカンペイが自ら動いてくれたのです。

週が明けた月曜日、現場トップの建設会社の監督が最終確認のためにやってきました。
するとそこにおばあちゃんの息子さんが走ってきて、「道をきれいにしてくださってありがとうございます。母も大変喜んでいます」と言いました。

監督はその時初めて道が補修されていたことを知り、「あ~、いえいえ」と応えただけでした。
でもその後、監督は「これからは氷室建設を必ず使えよ。今までこういう下請け、おらんかったやろ」と言ってくれたのです。

 

それを聞いたとき、「監督のこの言葉を、生の声で社員たちに聞かせたかった」と思いました。
僕は日頃から、「おまえらは毎日毎日朝から晩まで汗だくになって、臭くなり汚なくなりながら働いてるよな。でも臭いとか汚いとか、それは人間の価値とはまったく関係ないぞ。男の価値とも違うぞ」と言って励ましています。
でも内部の僕が言うのと、外部の人から言われるのとでは違います。外部の人から言われるほうが格段にうれしいはずです。

解体業というのは、日頃は迷惑がられたり、やったことが形として残らなかったりして、なかなか仕事にやりがいを見つけられない職業なので、そういう評価の言葉を直に届けたいと思ったのです。
でも間接的にですがそれを彼らに伝えることができたのでうれしかったです。
そして「これからもオレはこのために会社をやっていこう」と思いました。
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https://miya-chu.jp/latest/?itemid=2192

 

建設業のこれからを作っていくのは、こういう発想であり、行動であるべきだと思う。

氷室建設さんのHPもとても熱く、面白い。
社長さんが自分の会社の社員に求めていることが、とてもカッコいい。
↓↓
http://www.himuro-kensetsu.co.jp/html/policy/index.html