悩ましい読書感想文という課題④ | 『ことばの学校』 ブログ

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良書多読の「ことばの学校」です♪

悩ましい読書感想文という課題の連載4回目です!

少々長くなりますが、最後までおつきあいください(笑)



読書が好きな子にしてやることがまず先決ですが、ここからはいよいよ書けるようになるための方法です。


(2)ふだんから書く練習をするのが二番! 書く練習は模写からはじめましょう!

 

つづいて、「書く」力。以前の記事で述べたとおり、「書く」力というのはたいへん高度な「技術」であり、一朝一夕に上達するものではありません。文章語の語彙力、文章の構成能力が乏しい段階ではなおさらです。

ですから、まずは、「人の文を真似する」=「模写する」ことからはじめます。

 

たとえば、

「王さまがたまごをわって、うさぎがでてきたところが楽しかったです」

という文を子どもが書いてきたとします。

※最初のころは、このように主語述語を整えた文を書くことさえ難しいと思います。

一行感想を書く練習として、「だれが」「いつ」「どこで」「なにを」「どうした」ところが「○○でした(感想)」という文を書かせるところからはじめてもよいですね。

 

本題に戻ります。

「楽しかった」の部分を「わくわくしました」に変えてみます。

「王さまがたまごをわって、うさぎがでてきたところがわくわくしました。」


さらに、文を細かくして描写をより詳しくしていきます。

まず、上の文を二つの文に分割します。


「王さまがたまごをわりました。うさぎが出てきてわくわくしました。」


さらに、ことばを加えていきます。


「王さまがたまごをわりました。すると、意外なことに、うさぎがでてきてわくわくしました。」


文を細分化して、よりことばを補っていきます。

「王さまがたまごをわりました。すると、意外なことに、うさぎがでてきたのです。わたしは、驚くと同時に、『どうなるんだろう?』とわくわくしました。」など。

 

このように、時間はかかりますが、ちょっとずつ添削してことばを足してやった文を、今度は、自分で書くことができるように、「真似」をして書かせます

例文でいうと、「すると」(順接)という接続詞は、子どもたちの場合、すべて「そして」になってしまいますので、真似をして書いていくうちに、使い方をマスターできるようにしてやるのです。

逆接なら、「でも」を「しかし」「けれども」「ところが」で置き換えてやる。そして、真似して書かせる、のくり返しです。

 

(3)ちゃんと作文の指導を受ける

 

(2)のように、はじめに自分で考えた文にことばを加えながら、叙述力を高めていく訓練はひじょうに重要です。ですが、これを子どもたち自らの力でなし得ることは不可能です。

本来であれば、国語指導の専門家がていねいに時間をかけて、子どもたちに向き合うことが必要ですが、残念ながらその指導は等閑視されています。

もし、時間にゆとりがあり、近くに作文教室などを開催している塾や個人教室があれば、そういう場所で専門家の指導を受けられることをお勧めします。不可能ならば、保護者の方が根気よくつきあってやる以外ないでしょうか、、、。



またまた次回につづきます。