4)書いた文章はぜったいにけなさない!
原稿用紙1枚でも、とにかく本人に書かせてみましょう。
そして、大事なことは、
「子どもが書いた文章をぜったいにけなしてはならない」
ことです。
たとえ、大人の目から見たら稚拙であったとしても、
「上手に書けたね!」「よくがんばったね。」と評価してやることが、書くことへの自信になりますし、次への意欲につながります。
ただし、往々にして子どもの作文は、
「感想がもられていない、単なるあらすじの紹介」になりがちです。
そのまま提出するのがはばかられる場合は、
具体的に感想を挿入すべき箇所を指摘したうえで、
「よく書けているんだけど、ここに○○くん(子どもの名前)が感じたことを書き足そうよ」
「この場面で、○○ちゃん(子どもの名前)はどう思ったの?」
などと質問をし、引き出したお子さまの感想を追加させてください。
そのうえで、「ほら、もっとよくなったでしょ!」と成果を認めてやると、いっそう、達成感が得られます。
親子の一体感とともに、
お父さん、お母さんに認められたという充実感も、
子どものやる気を後押しします。
ちなみに、わたし自身が、
小2の子どもに実際に書かせた際のアドバイスを紹介します。
「ロボット・カミイ(ふるたたるひ作)」を読んだ感想文です。
まず、下書き用の原稿用紙に向かった状態で、以下の質問を投げかけます。
口頭で応えようとする内容を「それを原稿用紙に書きなさい」とアドバイスします。
1.「ロボットカミイ」はどんなロボットなの?
2.「一番心に残った場面はどこだった?」
3.「なぜ、そこが一番心に残ったの?」
4.「ロボットカミイみたいにだれかを助けたり、だれかに助けられたりしたことある?」
※ 読書感想文は、自分自身の経験と照らし合わせて、
その本から学び取ったことをまとめる必要があります。
5.(最後に)「ロボットカミイ」みたいなロボットがほしいと思う?
これでおしまいです。
ほんの30分程度で書き上げることができました。
まだまだ完成度は高くありません。
しかし、子どもにとって、
感想文を書きあげることができたという達成感、満足感は十分あったと思います。
(5)やたらと添削して、本人の文でなくしてはならない。
(2)の模写の項で、添削してやった文を真似させることで、
表現力を高めていく方法をご紹介しましたが、やたらめったら、修正をしてしまうと、今後は本人の作文ではなく、「大人の作文」になってしまい、逆効果という恐れも生じます。
加筆や修正は、アドバイスにしたがって本人にやらせるとか、
ことばが出てこないときに、
「こんな言い方もあるよ」
と教えてやる程度にして、あくまでも、「本人に書かせる」ようにして、達成感を味わわせるべきです。
成功体験を積み重ねること、本人の充実感を尊重することこそ、
迂遠なようであっても、取り組みを将来の財産に昇華させるために必要なことです。
(6)最後に
ぜひ、感想文に悩んでいるご家庭には、
これまでご紹介した方法をお試しいただきたいと思います。
読書感想文の書き方指導書、作法をまとめた参考書は、
市販でたくさんあります。
具体的な手順は、それらの参考書にしたがえば大丈夫です。
わたしが独自に指導している
「現在・過去・未来」基準の作文法もありますので、
もし、ご興味のある方がいらっしゃれば、
info@kotobanogakko.comにお問合せください。
【了】