■悩ましい読書感想文という課題⑤ | 『ことばの学校』 ブログ

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良書多読の「ことばの学校」です♪

4)書いた文章はぜったいにけなさない!


 



原稿用紙1枚でも、とにかく本人に書かせてみましょう。

そして、大事なことは、

「子どもが書いた文章をぜったいにけなしてはならない」

ことです。



たとえ、大人の目から見たら稚拙であったとしても、

「上手に書けたね!」「よくがんばったね。」と評価してやることが、書くことへの自信になりますし、次への意欲につながります。


ただし、往々にして子どもの作文は、

「感想がもられていない、単なるあらすじの紹介」になりがちです。

そのまま提出するのがはばかられる場合は、

具体的に感想を挿入すべき箇所を指摘したうえで、


「よく書けているんだけど、ここに○○くん(子どもの名前)が感じたことを書き足そうよ」


「この場面で、○○ちゃん(子どもの名前)はどう思ったの?」


などと質問をし、引き出したお子さまの感想を追加させてください。


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そのうえで、「ほら、もっとよくなったでしょ!」と成果を認めてやると、いっそう、達成感が得られます。

親子の一体感とともに、

お父さん、お母さんに認められたという充実感も、

子どものやる気を後押しします。


 



ちなみに、わたし自身が、

小2の子どもに実際に書かせた際のアドバイスを紹介します。


「ロボット・カミイ(ふるたたるひ作)」を読んだ感想文です。


 


まず、下書き用の原稿用紙に向かった状態で、以下の質問を投げかけます。

口頭で応えようとする内容を「それを原稿用紙に書きなさい」とアドバイスします。


 


1.「ロボットカミイ」はどんなロボットなの?

2.「一番心に残った場面はどこだった?」

3.「なぜ、そこが一番心に残ったの?」

4.「ロボットカミイみたいにだれかを助けたり、だれかに助けられたりしたことある?」


※ 読書感想文は、自分自身の経験と照らし合わせて、

その本から学び取ったことをまとめる必要があります。


5.(最後に)「ロボットカミイ」みたいなロボットがほしいと思う?


 


これでおしまいです。

ほんの30分程度で書き上げることができました。

まだまだ完成度は高くありません。

しかし、子どもにとって、

感想文を書きあげることができたという達成感、満足感は十分あったと思います。



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(5)やたらと添削して、本人の文でなくしてはならない。


 



(2)の模写の項で、添削してやった文を真似させることで、

表現力を高めていく方法をご紹介しましたが、やたらめったら、修正をしてしまうと、今後は本人の作文ではなく、「大人の作文」になってしまい、逆効果という恐れも生じます。


 



加筆や修正は、アドバイスにしたがって本人にやらせるとか、

ことばが出てこないときに、

「こんな言い方もあるよ」

と教えてやる程度にして、あくまでも、「本人に書かせる」ようにして、達成感を味わわせるべきです。


 



成功体験を積み重ねること、本人の充実感を尊重することこそ、

迂遠なようであっても、取り組みを将来の財産に昇華させるために必要なことです。


 



(6)最後に


 



ぜひ、感想文に悩んでいるご家庭には、

これまでご紹介した方法をお試しいただきたいと思います。


読書感想文の書き方指導書、作法をまとめた参考書は、

市販でたくさんあります。

具体的な手順は、それらの参考書にしたがえば大丈夫です。


 


わたしが独自に指導している

「現在・過去・未来」基準の作文法もありますので、

もし、ご興味のある方がいらっしゃれば、

info@kotobanogakko.comにお問合せください。


 




 



【了】