【MV考察】Septaluck / 『It's All Right』 | 超個人的音楽のススメ。

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ポップパンクバンドSeptaluck(セプトアラック)が4月20日にリリースとなる
2nd Mini Album『MEMORIES and FUTURE』よりリードトラックである
「It's All Right」のMUSIC VIDEOを公開している。

Vo.finのハイトーンボイスと、抜け感が最高なグッドメロディーを搭載した
セプアラサウンドを更にリファインした極上のポップナンバーに仕上がっている。



さて、ここからは本題とは異なる話だが、ポップパンクは日本で売れない。
というのはいささか言い過ぎではあるが。
改めて言及するような事はないがメロコアパンクシーンにおけるメインストリームである日本において
その時代を辿ってみても台頭するバンドが極端に少なかったポップパンクは市民権を得ていない所か、
そもそもマーケットとして未だに確立していない、というのが実情だ。


1990年代前半に日本の音楽シーンに台頭した、もはや名実ともに伝説のバンドであるHi-STANDARDは、
高濃度の熱量を誇るメロコア/青春パンクというジャンルでインディペンデントながらもセールス、そしてLIVE動員において
破格の記録を打ち立て、シーンにその旗を打ち立てたわけだが、
実はこのほぼ同時期とも言える1990年代前半に、このポップパンクというジャンルも海外で誕生し、
GREEN DAYやOFFSPRING等の台頭によって世界的なムーブメントを巻き起こしていたのだ。
この当時は外タレも集客力があったので、今よりもバンバン来日公演をしていただろうし
1990年代後半にはFUJIROCKも始まり、GREEN DAY等がヘッドライナーを務めた。


ポップパンクは日本に浸透するタイミングは多々あった。
それでありながらここ日本において、ポップパンクというジャンルがイマイチ浸透しなかったのは、
先に日本で市民権を獲得していたメロコアが我々日本人にとって「日本のパンク」という特別なものであって、
皆がメロコアに夢中になっていたという当時の空気感が全くの無関係ではないだろうと思う。

その証明というわけではないが、
日本で誕生したハイスタ等のメロコア由来のパンクバンドはポップパンクバンドの数に比べて圧倒的に多いし、
そこからメインストリームにリーチしたバンドの多くは往々にしてメロコア由来のバンドだ。

しかしこれは決してメロコアを糾弾しているわけではない。
実際現在日本でバンドを志している人の多くは確実にハイスタに影響を受けているだろうし、
実際にハイスタは私のような若輩者が語り切れないほど偉大なバンドだ。
あくまでポップパンクというジャンルが未だ日本に浸透していない事の理由付けとしての言及という事を
理解して頂きたい。私もメロコアはすごく好きです。


しかし最後に言いたいのはこのSeptaluckをはじめとするジャパニーズポップパンクの素晴らしさだ。
このジャンルが世界的に未だに根強い人気があるのにはそれ相応の理由があるし、
Septaluckが先陣をきって今なおポップパンクを鳴らしている事にも意味がある。
ジャンルの壁が無くなり、良いものは良いものとして認められる現在の音楽シーンだからこそ
改めてその良さを再提示する良いタイミングであると思う。

彼らは今回のミニアルバムでそれを再提示してくれると信じている