[自分の枠の外を見て、
どう反応するか]
・それまで見慣れないもの
・聞いたことがないもの
・知らなかったこと
こうしたものに触れて、
人は反応します。
「それは見たことがないなあ」
「こんなものは聞いたことがないなあ」
「まったく知らなかった！」
そして反応のあらわれとして、
言葉を口にします。
「変わってますね」
[「変わってますね」のリスク]
「変わってますね」と発言するとき、
多くの場合、それはほぼ無意識です。
『“変わってる”ということを
強調して伝えよう』
などと心に決めて言うような種類の
言葉ではありません。
思わずこぼれた、
本音の、
悪気のない、
単純な反応です。
これがくせものです。
言った人が、
①思わず
②本音で
③悪気なく
言ったのだということも、
相手には同時に伝わっている
ということになります。
[何が“変わってる”のか]
「変わってますね」と言われた人が
その、
「変わってる」対象そのものである場合、
例えば、
名前
職業
おかれている状況、環境
考え方
これらに対して
「変わってますね」と言われた時、
言われた人が
嬉しいか嬉しくないかの二択で言うと、
ほぼ嬉しくないです。
そして
「変わってるね」
と発した相手に対して
うすく、うすく
不信感を抱きます。
この不信感の正体を、
ついに突き止めました。
[基準は自分、
変わってるのはあなた]
これです。
「変わってますね」と言う側は、
純粋に
「これまで
あまり見聞きしたことがないですよ」
という感想を述べている
にすぎないのですが、
言われた側には
こんなメッセージが伝わっています。
「あなたは変わっていますね」
║
「変わっているのはあなたの方です」
║
「私はまともです」
║
「あなたはそうではありません」
║
「あなたはおかしいです」
おかしいです、と言ってくる相手に
不信感が芽生えるのは当然です。
ただ、
日常的にこんなところまで追いかける人は
あまりいないので、
多くの場合は
喧嘩にならずに済んでいるのだし、
こんな極端なことを聞かされたら
言った側も、
「いや、なにもそこまでは言ってませんよ」
と困惑するでしょう。
だから、うすい不信感なのです。
ただ、
薄くてもそれは、
不信感なので
信頼関係を築く邪魔をします。
[アウトプットの言葉を選択しよう]
これは何も
「変わってますね」
だけに起きることではありません。
言った側はむしろ
褒め言葉やリスペクトのつもりである場合も
よくあります。
もちろん私たちは生身の人間ですし、
言葉は生きていますから、
どうしたって
行き違いや小さな誤解は起きます。
でも、
自分は見たことがないもの
に対して
「変わってるね」
と、自分を軸にした言葉しか持たない状態。
それよりは、
伝えたい思いにより近い言葉を選択し、
相手と近くなったり
つながりが深くなったり
時間が楽しくなる時間が
増えていくほうが幸せです。
アウトプットの言葉の選択。
選択には選択肢が必要です。
すでに知っている言葉のストックから
必要に応じて
思いに一致する言葉を選択する。
日々の意識と、トレーニングで
誰でも使いこなすことができます。
この状態が、
言葉と声の調和
そのものです。
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