オーストラリアのホストマザーはとってもふくよか。
本人は「太った…」と気にしているのだけれど、気にするところが日本人の感覚と違っていた。
基本的にオージーは肉食なので、何の希望も伝えずにあちらの食生活を送っていたら
肉しかない!
なんていうこともあり得る。
なので私は希望を聞かれれば常に「野菜」次いで「魚」と言っていた。
おかげでホストマザーには
「ひろこはいつ聞いても野菜ね」
と言われたわけだけれど、だってねぇ…
肉は言わなくても出てくるんだもの!!
とはいえ、私の帰国後に自分のレストランを開業してしまったくらい料理好きな彼女。
肉ばかりでなくいろいろな料理が毎日の食卓を彩っていた。
あの当時、まさか「D's restaurant」と口にしていた私のことばが、まさか数年後に本当になるとはまったく思ってもみなかったのだけれど。
ところで彼女は、料理をしながら白ワインを飲む。
ほぼ毎日。
それだけではなく、寝る前に飲むのは白ワインかダイエットコークだ。
コーラに限らず、あちらの炭酸飲料は基本的に2Lボトル。
それが気づけば空になっている。
えーと、何日で飲み干したの??
私はたまに少し飲む程度だったから、そのほとんどは彼女が飲んでいたというわけで…
「太ってるのよ~!」
「痩せたいわ~!!」
嘆く彼女。
だったら寝る前のダイエットコークだけでもやめてみたらどう?
と言う私に、ひとこと。
「これは“ダイエット”コークだから大丈夫よ」
ん?
ダイエットコークは、“ダイエットのためのコーラ” じゃないよ!
それは結局、帰国するまで彼女に理解されることはなかったのだった。