デパートという認識 | ことばの魔法 ことばのチカラ~ことば探検家ひろが見つけたコトバと人間

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ことばに宿る、不思議なチカラ。
人間の言語習得やコミュニケーション能力の奥深さはまだ解明されていないけれど、とんでもなくおもしろい。
気づいたら私のコトバ探検は本格化されていた。

前回に引き続き「negotiation」から派生した話。

先日、アメリカ人のDさんと話していたとき「department store」で価格交渉するかどうかという話になった。

 えー…デパートで値引きしてとは言わないかなぁ…

そう言った私に対して彼が言う。

 「でも他のお店でもっと安いというのがわかれば下げてくれたりしない?」

 えっ?!
 デパートで??
 それはあんまり聞いたことないなぁ…


確かに最近、例えば家電量販店なんかだとそういった対応をしてくれる。
オンラインも含め、価格競争が激化しているのは事実だ。

でもデパートで割引交渉は…

そんな話をしていると、彼がアメリカの話をしてくれた。
いくつかの「department store」ではそういった対応があるという。

有名なのはウォールマート。

 「ウォールマートって、確か西友の…」

という彼に、私は首を傾げた。

 「え?でも西友はdepartment storeじゃないでしょ?」

 「えっ??!」

ここで、私たちの認識の違いが明らかになった。


私にとって「department store」とは日本語でいうところの「デパート、百貨店」を意味している。
それは例えば、伊勢丹・そごう・丸井・近鉄・東急・小田急・京王・松坂屋・三越・西武・東武・大丸といった百貨店。

西友は、私にとってはスーパーだったのだ。

 「でも西友も、1階はsupermarketだけど、上の階にはいろいろ売ってるじゃん」

言われてみればその通り。
でも私の中では、そこまで含めても西友が「デパート=百貨店」だという認識にはならなかった。

確かに昔に比べて、ああいった店舗もフロアを増やし、様々なものが買えるようになっている。
正直、私も「西友やジャスコみたいな商業施設は何て言うのが適切なんだろう?」なんて考えたことがある。
大型スーパー??

さらに言えば、多店舗展開していないがたくさんの店舗が入っているビルや、複合商業施設はなんというのか?

知識不足でお恥ずかしいが、私はピンとくる語彙を持っていない。


話を戻そう。

 「日本では、西友を「department store」とは言わないと思うんだけど…」

そう言った私に、彼が尋ねた。

 「でもたくさんの「department」があるじゃん!」


 おお…!
 何ということだ!


そもそも私は、『デパート』を指す「department」の意味を考えたことなんてなかった!!

【department】
 1. 部門、部、課;(百貨店の)売り場、コーナー
 2. (米国勢津の)省;(英国政府各省の)局、課
 3. (大学の)学科
     (ジーニアス英和辞典より)

とある。
なるほど、「department」のそもそもの意味を考えれば、英語だとああいった店舗はすべてデパートになるのか。

何ともはや、この感覚の違い!

というわけで、私と彼の感覚の違いはわかったわけだけれど…


このデパートと大型スーパーの認識の違い、私だけですか?
それとも日本人的感覚??