ブルキナファソという国をご存知だろうか?
西アフリカにある国で、公用語はフランス語。
国内には地域ごとに64の言語が存在しているという。
アフリカ各地の人たちと出会うようになって
多言語国家を目の当たりにしている昨今。
日本のようにたったひとつの言語しか話さないなんて、
彼らにとってはむしろ不自然。
環境的にありえないことだ。
でも彼らは彼らで、多言語国家ならではの悩みを抱えていた。
たとえば
どの言語で子どもを育てるか
地域言語しか話さないと受ける可能性のある差別
公用語がないと起こるコミュニケーションの問題
話せる言語がそのまま学校→社会での地位に直結してしまうという事実…
『多言語国家は夢の塊ではない』
ということもまた、私が学んだことのひとつだ。
さてブルキナファソからやってきたBさん。
彼女はとてもよくしゃべった。
とにかく、よくしゃべった。
「私の英語は全然ダメだけど~」
と言いつつ、8時間の中で口を開いていなかったのはほんの数分(笑)!
彼女の国では、必ずしも英語が話せる人は多くないらしい
おもしろかったのは、彼女の話す英語の中に
たくさんのフランス語が混ざっていること。
意識しているのかしていないのか…
英語とフランス語が混在の彼女の言葉は、私たちをワクワクさせた。
そのフランス語、こういうときに使うんだ!
あ、そのフランス語知ってる~!!
さらにBさんは小学校の先生をしているおかげで教えるのが大好き。
今までうちにやって来たゲストの誰よりも丁寧に、そしてしつこく教えてくれた。
たった8時間だったけれど、
自分の中のフランス語が格段に増えた感じが何とも嬉しかった。
そんな彼女が語った、印象的な言葉がある。
「フランス語はいつかなくなるよ」
何故か。
「だってビジネスの世界はすべて英語でしょ。
フランスは私たちだけでなくアフリカのいくつもの国を植民地にして
私たちはフランス語を話すことになったけれど
世界のビジネスは英語。
いつか世界は英語だけになる。
フランス語なんて、なくなるわよ」
このコトバに込められている想いは深い。
私は彼女の語る言葉から、彼女の想い、国の想い、歴史、文化など
たくさんの人が背負ってきた、たくさんのものを感じた。
これは私個人がどうのこうの言える問題ではないということも。
私が生きている間にフランス語がなくなることはないかもしれない。
でもITが進化し、グローバル化が進んで世界が狭くなった今
消えていく言語が数知れずあるのもまた事実。
コトバは生きている。
時代によって変化もするし、融合もする。
日本語だって、時代によって常に変化している。
10年、20年という短い時間で変化する口語もあれば
100年、200年という時間をかけて変化したものも。
だから流行言葉もあれば、古語もあるのだ。
そんな流れを見ると、消えかかる言葉というものは
無理矢理“保護”するものではないのかもしれない。
でもなんか…
なんか…
悲しいね。