小さい頃から親が口をすっぱくして言う言葉には
子ども時代に自分が受け取っていたよりずっと
深く大切なものが込められていると気づく。
人としてどうか…
人として大切なことは…
基本はそれ。
当たり前のことなのだけれど
『何と奥が深いことを母は伝え続けてくれていたのだろう!』
と思ったのは、自分がビジネスをはじめ本格的にコーチングを学んだ頃。
例えばこれ。
『人の悪口を言わない』
当たり前?
そう、当たり前のこと。
子どもの頃、私の母はこう言っていた。
「悪口は必ず自分に返ってくる」
「どんなに隠そうとしても、必ず相手の耳に入る」
「自分が言ったら、人にも言われる」
「みんな嫌な気持ちにしかならないよ」
本当に、まったくその通り。
それでも我慢できない子どもの頃の私は
言ってしまっては後悔し、自分のダメさ加減にうんざりしたものだった。
大人になっていい加減そういう世界から遠ざかれたかなと思いきや
いい年してそういう話ばかりをする人が残念ながら皆無ではないことを知って
がっかりしたことも何度もある。
そのたびに、わが身を省みる機会を得たのだと思っているけれど。
あなたは言わない?
では悪口のつもりはなくても、これだったらどうか。
「○○さんてさぁ…」
「△△さんがあなたのこと、こう言ってたよ」
「□□さんて~~~なんだって!」
言ってない?
愚痴だったり、うわさ話だったり。
これ、言われてみたらどう思うだろう?
○○さんや□□さんの立場だったら、すごく嫌な気持ちになる。
そしてその話を聞かされた人は、こう思う。
「この人、私のことも他のところでそんな風に話してるんじゃないかな?」
そこで生まれるのは、伝えてきた相手に対する不信感。
そして○○さんや□□さんに対する色眼鏡。
さらに△△さんに関しては、その真偽がわからなくても
何となく不信感を持ってしまうだろう。
そしてもちろん、それを伝えてきた相手に対しても。
「どうしてわざわざ、そんなこと私に伝えるの?」
すごく嫌な気持ちになる。
そこで生まれるのは△△さんに対する不信感のみならず
やはり伝えてきた相手に対する不信感。
結果、△△さんへの警戒心が生まれ
伝えてきた相手にも心を開かなくなる。
もしそれが会社などの組織内で蔓延したら…
社員同士が不信感でしか繋がっていない会社の未来は暗い。
これを 『ゴシップ』 と言う。
世界の一流経営者達は、このゴシップを本格的に学ぶらしい。
ゴシップが生まれない組織づくり
ゴシップが生まれたときの対応の仕方
『ビジネス』とか『ゴシップ』とか言うと
すごく難しい世界に聞こえるかもしれない。
けれど、その基本にあるのは、親が子どもに伝えている
人として大切な、あのひとことだ。
『人の悪口を言っちゃダメよ』
生きる上で
人と関わる上で
大切なことはみんな、子どもの頃に親に伝えられている。
わかりやすい言葉で。
そして大人になった今、自分たちの立ち位置は
『人の悪口を言わない』を実行し伝える側。
『人の悪口を言っちゃダメよ』
成功するビジネスパーソンを支えるコトバ。
コミュニケーションの基本はいつも、子どもだ。