(1/4回目) Annual Collection of Top Vitamin D Publications
William B. Grant, PhD
( ビタミンDに関するトップ出版物の年間コレクション)

OMNS(2024年2月27日) 

 エルマー・マッコラムがビタミンDを発見してから2023年で100年になる[1]。発見後80年間、ビタミンDはカルシウムの吸収と代謝を調節する役割で主に知られていた。20世紀最後の10年間に始まり、21世紀初頭に加速度的に、ビタミンDの健康への恩恵は骨にとどまらないことが明らかになった。その恩恵の多くは、ビタミンDのホルモン代謝産物である1,25-ジヒドロキシビタミンD(カルシトロール)が、体内のほぼすべての細胞が持つビタミンD受容体に入り込み、遺伝子発現に影響を与えることで生じる[2]。2013年までに、「十分なビタミンDの状態は、筋骨格系障害(筋力低下、転倒、骨折)、感染症、自己免疫疾患、心血管疾患、1型および2型糖尿病、数種類のがん、神経認知機能障害や精神疾患、その他の疾患、さらには不妊症や妊娠・出産の有害な転帰に対する予防効果があるようだ」ということが明らかになった。[3]. ビタミンDの健康効果を裏付ける初期の証拠は、日光浴と季節に関連した生態学的研究から得られた。その後、血清25-ヒドロキシビタミンD[25(OH)D]とビタミンDサプリメントの摂取に基づく観察研究、およびメカニズムの研究が、さらなる情報を提供した。医療制度上、医薬品の承認はランダム化比較試験(RCT)の結果に基づいているため、ビタミンDについてもRCTが実施された。薬物試験では、薬物の供給源は試験中のみであり、対照群の参加者はプラセボを受け、直線的な用量反応関係があると仮定される。結果は、治療群と対照群の結果を比較し、intention to treatに基づいて評価される。Robert Heaneyは、2014年に栄養試験のガイドラインを概説している[4]。ビタミンDに適用される主なガイドラインには、前向き参加者の血清25(OH)D濃度を測定し、低濃度の者を登録すること、血清25(OH)D濃度を目的の転帰に最適な値まで上昇させるのに十分なビタミンDを補充すること、達成された25(OH)D濃度を測定すること、25(OH)D濃度に基づいて結果を分析することなどが含まれる。このガイドラインに従ったビタミンDのRCTはほとんどない。その結果、ビタミンDを推奨する医師を納得させるような結果を報告したものはほとんどない[5]。

大手製薬会社は、ビタミンD補給が製薬業界の収入と利益に影響を与えることを2009年頃に懸念し、これを受けて、医師と研究者からなる特別委員会を招集し、ビタミンD補給のガイドラインを設定した(5057 Google Scholar引用)[6]。その勧告は、1歳から70歳の人は600IU/日(15mcg/日)のビタミンDを摂取すべきであり、71歳以上の人は20ng/mL(50nmol/L)以上を達成するために800IU/日(20mcg/日)のビタミンDを摂取すべきであるというものであった。この勧告は、骨の健康に必要なビタミンDに関する誤った分析に基づいていた [7] 。ほぼ同時期に、内分泌学会はビタミンD欠乏症の人に30ng/mLを達成するために、より高用量のビタミンDを推奨しており、Google Scholarの引用数は12,000を超えている[8]。ビッグファーマは、ビタミンDの信用を失墜させるために偽情報プレイブックを使用し(Grant, 2018)、2024年にも再び使用した(Aschwanden, 2024)。

グラントWB。Disinformation Playbook(偽情報プレイブック)に従った大手製薬会社によるビタミンDの受け入れ遅延。2018. http://orthomolecular.org/resources/omns/v14n22.shtml

Aschwanden C. How Much Vitamin D Do You Need to Stay Healthy. サイAm。2024. https://www.scientificamerican.com/article/how-much-vitamin-d-do-you-need-to-stay-healthy/

今年のビタミンDのトップ論文については、Google ScholarとSCOPUSというデータベースを検索した。Google Scholarはオープンアクセスであり、一般的にオープンアクセス版のURLを示している。SCOPUSはオープンアクセスではありません。私は、医師、特に治療よりも健康維持や疾病予防に関心のある医師が関心を持ちそうな様々なトピックについて、代表的な優れた出版物を見つけようとした。各出版物について、抄録から約100語を抽出した。

http://www.orthomolecular.org/resources/omns/v20n02.shtml


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