「Mg不足型ADHD」の症例

症例;5歳、男性。
幼稚園年長。
集団生活が苦手で、うろうろし、落ち着きがない。
指示が通らない。
夜泣き叫ぶ。

母親と共にR5.9当院受診。
他院で採血、BUN10.0、フェリチン20.9。
卵は食べるが肉は苦手。
食欲はある。
→プロテイン5g*2、高タンパク/低糖質食。
インクレミン10ml処方。
ナイアシンアミドもしくはフラッシュフリー、Mg100開始。
Mg入浴推奨。

一週後再診、
プロテイン5g*2、インクレミン飲めている。
ナイアシンアミド*2、Mg100*2。
Mg入浴も始めた。

R5.10、
プロテイン10g*2飲めるようになった。
→C1000開始。

R5.11、
ウロウロして落ち着きがない。
集団生活ができない。
フラッシュフリー*2、Mg100*2。
Cは苦手で飲めていない。
→フラッシュフリーを増量を。

R5.12、
イライラして暴言が激しい。
母親、妹を叩いたりする。
フラッシュフリー*6、Mg100*2。
→フラッシュフリー中止、Mg100増量を。

R6.1、
落ち着きが出てきて、発表会をこなせた。
療育でも褒められるようになった。
Mg100*6、ナイアシンは中止している。

R6.2、
Mg100*6+Mg入浴。
お腹は全く緩くならない。
Mgをサボると便秘する。
落ち着いた。
トラブルがなくなった。
座って過ごし、指示が通るようになった。
夜驚症もなくなった。
尿失禁もなくなった。
→フラッシュフリー*2を再開を。
C1000、Cパウダーが苦手ならリポC。
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5歳なのにMg100*6でもお腹が緩くならない、最重度の「Mg不足型ADHD」。
ADHDは「ナイアシン不足型」が7割、「Mg不足型が3割」。
軽度~中等度Mg不足型では、ナイアシンアミドもしくはフラッシュフリー、Mg100で問題なく落ち着く。
しかし、最重度Mg不足では、ナイアシン類の投与でハイテンションとなる。
これは、経口+経皮でMgを補給しても、満たされるまで3ヶ月程度要するため。
その場合、ナイアシン類はいったん中止し、Mgをお腹が緩くならない最大量まで増量する。
Mgが満たされて、落ち着いた後にナイアシン類を再開すればハイテンションになることはない。


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