あらゆる生命活動に必須のマグネシウム

「若さを保つ栄養メソッド」より、

 人が若く健康であるためには、生命活動の根幹である代謝がスムーズにおこなわれることが大切と、繰り返し述べてきました。主要ミネラルの中でも多くの量を必要とするマグネシウムは、体の中のすべての細胞や骨に存在し、代謝をはじめとするあらゆる生命活動に関与しています。
 マグネシウムは神経系、筋肉の収縮、健康な骨や歯の形成など重要な働きを担っており、体内の300種類以上の酵素反応に不可欠な存在です。ミトコンドリアでATPをつくるためにも、タンパク質を合成するためにも、最重要ミネラルのひとつです。
 マグネシウムの欠乏によって、さまざまな機能が滞ります。
 まず、免疫系に与える影響です。免疫細胞が異物をキャッチして、その能力を発現するときにはマグネシウムが必要ですが、足りない場合は、正常な免疫力を発揮できなくなります。異物やウイルスから体を守れないということになります。
 また、マグネシウムは高血圧を抑える作用があります。足りない場合は、血管系や心臓系の疾患リスクが高まってしまいます。
 そして糖尿病の人は、マグネシウム値が低い傾向にあります。血液中のマグネシウム値が最も低い中年層の人は、最も高い中年層の人に比べて約2倍、2型糖尿病を発症するという研究があります。一方、マグネシウムのサプリメントが2型糖尿病を持つ高齢者のインスリン産生を改善した、という研究報告もあります。
 また、偏頭痛など規則性の頭痛に悩む人も、血中や脳内のマグネシウム値が低いといわれています。マグネシウム摂取が頭痛の頻度を減少させるという研究も数多くあります。

 マグネシウムが不足すると、心臓病、糖尿病、がん、脳卒中、骨粗しょう症、関節炎、喘息、腎結石、偏頭痛、PMS(月経前症候群)、足や瞼のけいれん、こむら返りなどを引き起こします。
 マグネシウムが充足すると、これらの疾患や不調を改善する、発症を予防する、ということになります。マグネシウムは正常な筋肉、脳や神経の機能を維持し、心臓のリズムを安定させます。そして健康な免疫システムをサポートし、骨を強く保ってくれる。つまり、体のあらゆる組織が機能するために必須のミネラルなのです。


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