21世紀の自然治癒の健康相談ー17,肩凝り

三石巌:全業績ー6、分子栄養学の健康相談、より

55歳の男性、肩凝りに悩まされています。ひどいときには、頭痛がしてきます。湿布を貼ってみたり、もんでもらったりしても、あまり効果はありません。

私のアドバイス、
 肩が凝っている感じの時、肩や首筋の細胞がぱんぱんに張って、血管や神経を圧迫しています。そのために、筋肉への栄養の補給が悪くなり、圧迫された神経が鈍痛を起こします。
 このとき、細胞をぱんぱんにしている物質は乳酸です。乳酸が細胞の中に溜まって、それを膨張させているのです。これらを総合して考えると、肩凝りの対策は三つあることになります。
 第一は乳酸を絞り出すことです。肩を叩いたりもんだりするのは、それにあたるのでしょう。
 第二は、乳酸の発生を防ぎ、あるいは、発生した乳酸を処理することです。これの主役はビタミンB1です。筋肉の中の乳酸は、エネルギーをつくる過程で発生したものですが、それは、ビタミンB1欠乏の場合に限ります。これが十分にあれば、乳酸はできずに、二酸化炭素と水とができますが、こういう物質は細胞膜からたやすく抜けるので、細胞をぱんぱんに張らせることはありません。
 肩が凝ったときに、ビタミンB1をのめば、楽になるかというと、これはなかなか大変です。血管が圧迫されているために、ビタミンB1の局所への輸送がうまくゆかないからです。そうはいっても、ビタミンB1の効果はばかにできません。
 第三は、細胞膜から乳酸に出て行ってもらうことです。これは、膜の透過性が良ければ自然に起こる現象なのです。そして、このためにはビタミンEが役立ちます。
 ビタミンEは、膜の構造脂質の酸化を防ぎます。構造脂質に酸化がおきたとき、すぐにパンクがおこるわけではありません。ふつうはます、透過性が悪くなるのです。それを、ビタミンEが防いで、透過性をよくしようというのが、第三の方法なのです。
 結局、肩凝りを治すにいちばん効果的なのは、ビタミンEです。というのは、これは、血液に運ばれなくても、組織にしみわたる性質を持っているからです。
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2018年4月;
肩凝りは乳酸の蓄積により生じる。
マッサージ、E、B1が効果がある。
細胞膜やミトコンドリア膜など生体膜の不飽和脂肪酸に自動酸化が起こると、1)細胞外からの栄養素や酸素の供給が滞る、2)細胞内からの乳酸などの老廃物の排出が滞る。
不飽和脂肪酸の自動酸化対策には、Eを400~800IU。
酸化された生体膜の不飽和脂肪酸を修復するにはレシチン。
その上で、B1を十分量投与すれば、ピルビン酸→アセチルCoAに代謝され、乳酸蓄積が解消する。
高用量ナイアシン(2~3g)も末梢血管拡張作用があるので良い。

2024年3月;
*最も即効性があるのは、塩化Mg(もしくは死海Mg)入浴。
・体を温め、血流を改善させる。
つまり、ビタミンB1、Eを局所に行き渡らせ、乳酸を処理しやすくする。
・Mgは筋緊張を和らげる。
筋緊張の原因はCa過多+Mg不足。


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