幼稚園児、小学生の鉄剤投与量と母親のフェリチン

幼稚園児、小学生の受診を受ける場合、必ず母親のカルテも作り一緒に治療を行う。
当然親子とも鉄タンパク不足なので、親子ともにプロテイン+鉄剤を継続する。

幼稚園児、小学生では当院では採血できないので、予め地元の小児科でBUN、フェリチンを測定して、その結果を持参してもらう。
母親は当院でも採血可能。
子供にはインクレミン10ml(Fe60mg)、母親にはフェロミア2錠もしくはフェルム1錠(Fe100mg)で開始する。

治療開始後、3~6ヶ月目に採血し、その結果を見て鉄剤の量を調整する。
子供の採血は引き続き、地元の小児科に依頼するが、良い顔してもらえず、採血してもらえないことが多い。
子供は成長のため大量に鉄が消費されるので、大人と比べなかなかフェリチンが増えないため、まず鉄過剰症(高フェリチン)にはならない。
コラーゲン合成=タンパク質+C+鉄。
つまり、タンパク質とCが十分量あれば、鉄は成長のためのコラーゲン合成に回される。

一般的に、母親のフェリチンの変化と、子供のフェリチンの変化は極めて類似している。
母親のフェリチンが上がらない場合、子供のフェリチンも上がらない。
母親のフェリチンが上がる場合、子供のフェリチンも上がる。
このものが栄養学的な要因なのか、遺伝的な要因なのかは不明だが、同じものを食べているので栄養学的な要因が強いのだろう。

子供の鉄剤の量は、母親のフェリチン値の推移を見て調整する。
母親のフェリチンが150以上になれば、フェロミア1錠、もしくはフェルム隔日服用に減量する。
子供のインクレミンも5mlに減量する。

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