21世紀の自然治癒の健康相談ー5,ダイエット

三石巌:全業績ー6、分子栄養学の健康相談、より

50歳の主婦;身長は155センチしかないのに、体重は65kgもあります。医者から減食をすすめられているのですが、三日と続きません。減食しないで痩せる方法があれば、助かります。

私のアドバイス、
 顔でも足でも、どこをみてもそうですが、皮下脂肪はそこに居座っている感じです。しかし事実はそうではなく、皮下脂肪もまた、分解し、新しいものがあとをうめるのです。この回転はノンビリしたものではなく、ラットの実験では半減期が2~3日しかありません。2日か3日のうちに、半分が新旧交代をおえるというのですから、かなりのスピードです。
 からだとおなじ物質をつくる代謝を同化、からだをつくる物質を壊す代謝を異化といいます。脂肪組織で、異化と同化とがバランスしていれば、肥満状態が定常化していることになるわけです。ということは、やせたい人は、異化を同化よりも優勢にすればよい、ということになります。
 脂肪組織の異化では、脂肪酸が発生します。そしてこれは、人体のエネルギー源として最大のものです。だから、エネルギーを使えば、脂肪組織の異化が高まるわけです。それで、美容体操とかマラソンとか、エネルギー消費の大きい作業がやせる方法といわれることになるのです。
 しかし、脂肪を1kgへらすためには、東京から三島市まで歩かなければならないと聞いたら、がっかりする人が多いだろうと思います。運動で体重をへらすのは、なまやさしい企てでないことがおわかりでしょう。
 わたしたちのからだのエネルギー消費は、筋肉の運動によってだけ、おこるのではありません。消化液をつくるのにも、消化をするのにも、神経が信号をだすのにも、からだのなかのできごとで、エネルギーを必要としないものは一つもありません。べつにスポーツをやらなくても、脂肪の異化はまちがいなしに進行します。たからあなたは、異化のスムーズな進行をはかることと、脂肪の原料をとるのをひかえて、同化レベルをさげることを考えればよいのです。
 脂肪組織の脂肪の原料には、脂肪酸もありますが、主としてブドウ糖が使われます。だから、糖質をひかえることです。それでは減食ではないか、減食はまっぴらと、あなたはおっしゃいますが、糖質の代わりにタンパク質をとればよいのです。
 アルコールには、糖をエネルギー化せずに脂肪化する作用があります。したがって、酒をたしなむときには、とくに糖質を遠慮することです。
 すべての代謝は酵素のなかだちによって行われますが、酵素はタンパク質であって、タンパク食品を原料として作られるものです。脂肪の異化という代謝にも、酵素、すなわちタンパク質がなければならないのです。ういうわけで、糖質をタンパク質にかえれば、べつに減食せずにやせる方向への動きがでてくるはずです。
 それから、タンパク質の必要量をどうやってとるか、という問題がのこりました。わたしたちの日常の食事だと、腹いっぱいたべても、十分量のタンパク質がとれない場合がめずらしくありません。そこには、だきあわせで、かなりの量の糖質や脂肪が入ってくることをまぬかれないのです。
 ここで、例の配合タンパク(プロテイン)がものをいう番がきました。このものは食品から脂質や糖質の大部分を除去してありますから、純粋にタンパク質だけをとる目的にかないます。
 つぎはビタミンCの問題ですが、これはあったほうがよい、と思います。というのは、この食事では、それがストレッサーとなります。ストレスがおきると、体タンパクの分解がはじまって不利な条件を生むからです。そして、ビタミンCには、ストレッサーに対抗するはたらきがあるので、これを添加することには、調味の問題以上の意義があるのです。
 ここでいちばん気になるのは、空腹感の問題です。くるしくなった人は、高タンパク食になにかを適当に追加していただきましょう。やせる方法の大原則が、タンパク質と糖質との比の値を大きくすることにあることを忘れないでください。
 なお、代謝性肥満といって、エネルギーを糖にもとめず、もっぱら脂肪にたよるタイプの人がやせるためには、糖分を完全にカットする必要があるでしょう。
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糖質過多→追加インスリン分泌→ブドウ糖を脂質に変換→体重増加。
質的栄養失調があると脂肪を燃焼できない。
鉄タンパク不足の女性は、低体温で、真夏でも長袖のスーツを着ている。
そして、どんなに暑くても汗がかけない。

鉄不足のない男性は、いきなり断糖しても良い。
しかし、鉄不足のある女性は、いきなり断糖するとATP不足を来たし体調不良となるため、砂糖は止めて米と小麦を半分にする程度に留める。
しかし、鉄不足の女性は0か100思考で極端なことをしたがり、いきなり断糖して体調不良となり、他罰的になりやすい。

プロテイン20g*2+高タンパク/低糖質食+新ATPセットで、BUN20以上、フェリチン150以上が目標。

ケトン食ができれば、継続的に脂肪を燃焼できるため更に良い。
男性ならケトン体1.0mmol/L、女性なら0.5mmol/Lが目標。
通常に糖質を摂取している人のケトン体は、0.0~0.1 mmol/L。


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