分子栄養学入門-29、マグネシウムは善玉コレステロールを上げ、悪玉を下げる

 年齢を重ねるとともに、コレステロールのことが気になる方もいるでしょう。
 私は以前から、「家族性高コレステロール血症」ではない限り、総コレステロール値を下げる必要はないといっています。コレステロールを強力に低下させるスタチン系の高脂血症治療薬はいっさい使用しません。どうしても治療を希望される患者さんには、オメガ3脂肪酸のロトリガ、エパデールを処方します。
「家族性高コレステロール血症」で悪玉コレステロールが高く、善玉コレステロールが低い方には、ナイアシンをお勧めしています。悪玉を下げ、善玉を上げる作用があり、天然のスタチンといえます。
 実はマグネシウムにも、こうした天然のスタチン作用があります。コレステロールをつくるにはHMG補酵素A還元酵素という特定の酵素が必要ですが、マグネシウムが体内に十分あれば、この酵素反応が鈍化することがわかってきています。スタチン系の薬が狙って抑止しようとするのも、この還元酵素です。
そのメカニズムはほぼ同一ですが、マグネシウムのほうが自然な作用です。スタチンを使用すると、コレステロールを一定に保とうとするプロセスが壊れてしまいます。マグネシウムが十分あれば、コレステロールは本来必要な機能を果たすだけの量に留まってくれます。
 逆に考えると、コレステロールが問題視されるほど増えている人がいるのは、マグネシウム不足の土壌から採れる作物、マグネシウムゼロの加工食品、カルシウム強化の健康食品ばかり口にしている状況に原因があります。
 悪玉コレステロールのLDLを減少させる酵素の作用には、マグネシウムが必要です。マグネシウムは中性脂肪トリグリセリドを減少させ、善玉コレステロールHDLを増加させるのです。
 つまり脂質代謝異常には、ナイアシン+マグネシウムを組み合わせると良いのです。


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