LDLコレステロール(LDL-C)を下げたい女性

症例;60代後半、女性。
LDL-Cが240前後あり、かかりつけ医からはスタチンを飲むよう何度も言われているが、自分としては薬は飲みたくない。

本を読んだ息子から勧められ、R4.7当院受診。
2ヶ月前からプロテイン20g*2を飲んでいる。
オーソモレキュラーのFe、Mg、B、C、Eを飲んでいる。
→オーソモレキュラーのサプリを止め、B50、C1000、E400、ナイアシンアミド、Mg100を開始。

一週後再診、
初診時のBUN25.1、フェリチン79、ALP58、総コレステロール(T-Chol)370、LDL-C244。ナイアシンアミド*3、他のサプリは指示通りに服用している。
→フェルム、プロマック処方。
ナイアシンアミドを増量を。

R4.8、
ナイアシンアミド*6でフラフラするので*3しか飲めない。
→ナイアシンアミド*3+フラッシュフリー*3。

R4.10、
BUN18.2、フェリチン85、T-Cho317、LDL-C193。
→ナイアシンアミドは中止し、フラッシュフリー*6とするように。

R5.3、
プロテイン、サプリメントは以前ほどキッチリ飲めていない。
フラッシュフリー*4。
BUN21.6、フェリチン88、T-Chol309、LDL-C188。
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ナイアシンは脂質代謝異常を改善させる効果がある。
フラッシュフリーはナイアシンより弱いが脂質代謝異常を改善させる作用がある。
ナイアシンアミドには脂質代謝異常を改善させる作用はない。

いきなりフラッシュフリーで開始するとフラッシュが出て十分量を服用できない場合が多い。
ナイアシンアミドを開始し、2~3ヶ月後からフラッシュフリーに変更すれば、フラッシュが出ることなく服用できる。
理想量は*6だが、本症例では*4で継続することでT-Chol、LDL-Cは順調に下がっている。

なお、LDL-Cの異常値は、アメリカでは190以上、日本では何故か140以上とされている。
これでは閉経後女性のほとんどは異常値とされてしまう。
自分はT-Chol、LDL-Cは少々高くても全く気にしておらず、当院ではスタチンは全く処方しない。
かかりつけ医から口うるさく言われるのなら、そこへの通院を止めれば良いということになる。 

なお、EPAやDHAも脂質代謝異常に有効とされており、エパデール、ロトリガを処方することもあるが、フラッシュフリーと比べると効果はかなり劣る。


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