分子栄養学入門-18、長期の質的栄養失調がビタミン依存症を招く

 極めて高用量のビタミンがないと代謝が進まない場合を「ビタミン依存症」といいます。
 ビタミンの必要量は、加齢により増え、心理状態によって増え、ストレスにより増えます。その間、長期間においてビタミン不足や栄養失調状態がつづくと、治療においては極めて高用量のビタミンが必要となることがあります。
 つまり、ビタミン依存症が後天的に起こるのです。ビタミン依存症になると、通常の100~1000倍の量のビタミンが必要となります。
 ビタミン依存症は、先天的な部分も大きいのは確かですが、加齢、食事内容、服薬、疾病の合併によっても引き起こされます。
 第二次大戦中捕虜収容所にて栄養失調となった兵士は、その治療のためには3000mgという極めて高用量のナイアシン(ビタミンB3)投与が必要でした。慢性的なナイアシン不足の疾患を「ペラグラ」といいます。ペラグラとは、ナイアシン不足が引き起こしたナイアシン依存症であったということになります。


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