分子栄養学入門-11、日本人女性の鉄不足の現状

15~50歳の日本人女性のフェリチン値を示したものが、次の表になります。年代別のフェリチン値が示されています(鉄剤投与中の人、妊娠中の人は除外)。

フェリチン 20~29歳 30~39歳 40~49歳
~5 11.4 16.8 19.1
5~10 12.1 15.9 16.6
10~30 43.4 38.8 34.4
30~50 17.1 19.0 14.9
50~100 20.8 8.2 16.9
100~ 0 0.3 1.9
(平成20年厚生労働省国民健康・栄養調査より抜粋)

女性の20~40代のあらゆる年代で、フェリチンが30以下の人は70~80%。フェリチン30以下は重度の鉄不足です。また、鉄が満たされている人、すなわちフェリチン100以上を示すのは、20代ではゼロ、その他の世代もそれに等しい少なさです。
では、当院を受診した15~50歳の女性患者(合計 217人の測定値、初診時)のフェリチン値は、どうでしょうか。

・フェリチン10以下:87人、40.1%
・フェリチン11~30 :79人、36.4%
・フェリチン31以上:51人、23.5%
やはり全国的な調査と同じく、フェリチン値が低い、つまり鉄不足であることがわかります。
フェリチン値が50以下であれば、貧血の有無とは関係なく、鉄不足という診断となり、積極的な治療対象となります。
一方男性においては鉄不足は稀ですが、女性より鉄不足には極めて脆弱です。男性のフェリチン50以下は女性のフェリチン10以下に相当し、男性のフェリチン100以下は女性のフェリチン50以下に相当するので鉄剤投与の対象となります。
鉄不足の症状は次の通りです。

・イライラしやすい、集中力低下、神経過敏、些細なことが気になる
・立ちくらみ、めまい、耳鳴り、偏頭痛
・節々の痛み(関節、筋肉)、腰痛
・喉の違和感(喉が詰まる)
・冷え性
・朝なかなか起きられない、疲れ
・出血(アザ)、コラーゲン劣化(肌、髪、爪、シミ)、ニキビ、肌荒れ
・不妊
・レストレスレッグス症候群(RLS=むずむず足症候群)
・やたらと氷をガリガリ食べる

元記事はこちら
https://www.facebook.com/100003189999578/posts/pfbid0332wp3xBmzEfHnY6xSELt38cmpksHS6nrHBmzAcZotf1L2pM4rHcBLhen4hKQy5jFl/?sfnsn=mo