分子栄養学入門-3、栄養不足で遺伝子に代謝異常が生じる

 慢性疾患の大きな原因は、その人の食生活にある。
 これに異論を唱える人は少ないと思います。だから「バランス良い食事が大事」というわけで、野菜中心で油分や塩分、添加物を控え、エネルギー構成比は、概ねタンパク質:13~20%、脂質:20~30%、炭水化物:50~65%が目安、エネルギー構成比としては、炭水化物6:タンパク質2:脂質2、タンパク質は動物性と植物性の両方から摂る――。このような食事がヘルシーであるという常識がまかり通っています。
 しかし、私はこの常識は間違っていると断言します。
 あなたを悩ます体調不良や慢性疾患の原因は、このようないわゆるバランスの良い食事を長年つづけたことにあります。あなたやあなた以外の日本人の多くが、このようなバランスの良い食事をつづけた結果、「糖質過多+タンパク不足」に陥っているのです。
「糖質過多+タンパク不足」がつづくと、体の中で何が起きるのでしょうか。これからそのメカニズムをご説明しますが、理解するためには、まず代謝について理解する必要があります。
 人が生きていくエネルギーを得るために最も大切な生命活動が「代謝」です。代謝の解説は後述しますが、あまりにも基本的なことゆえに、多くの医師は重要視していないのが現状です。
 悪い栄養状態がつづくと、その人が持つ遺伝子の弱い部分に「代謝異常」が生じます。この代謝異常が積み重なって、やがては統合失調症、糖尿病、膠原病、アトピー、神経難病、がん、その他の疾患を発症してしまうのです。
 今の常識に沿ったバランスの良い食事をつづけていると、ほとんどの人がタンパク不足に陥るでしょう。体調不良や慢性疾患に悩む中高年のほとんどが、30年来のタンパク不足、50年来のタンパク不足なのです。
 まずそのタンパク不足を改めないことには、慢性疾患は治るはずがありません。自分でそのことに気づいて、食生活を変えるしかないのです。
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・一般的なバランスの良い食事=質的栄養失調の食事であり、これが慢性疾患の原因。
・質的栄養失調=糖質過多+タンパク不足+脂肪酸不足+ビタミン不足+ミネラル不足。
対応は、
1)卵、肉を増やし、プロテインを飲む。
2)糖質は減らす。
3)良い油を摂り、悪い油を止める。
バター、ラードを使い、植物油を止める。
4)良い塩を摂り、悪い塩を止める。
食塩を止め、ぬちまーす、雪塩、宗谷の塩にする。
5)ビタミン、ミネラルのサプリメントを摂取する。



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