最重度の躁うつ病(双極性障害)患者

症例;60代前半、女性。
10年以上前から躁うつ病で治療を継続している。
躁状態、うつ状態で何度も入院歴あり。
最近はラピッドサイクラー化しており、頻回に躁うつ病相を繰り返している。

FB記事を見た息子と共に、H29.5当院受診。
現在の処方;
気分安定薬、リーマス900mg、デパケン1000mg。
抗精神病薬、ジプレキサ5mg。
睡眠導入剤、フルニトラゼパム2mg、マイスリー10mg。
その他、チラージンS50µg、ピレチア75mg。
リーマスによる振戦、パーキンソン症状による歩行障害がある。
BUN16.6、フェリチン19。
→高タンパク/低糖質食+プロテイン*2。
フェルム処方。
ナイアシン、B50、C1000開始。
向精神薬は引き続き前医で継続。

H29.9、
BUN18.6、フェリチン65。
プロテイン20g*3。
ナイアシン500*2~4。
軽躁状態時にはナイアシンを増量して対応し、入院せずに済んでいる。
リーマス500mgに減量、ジプレキサ3.75mgに減量となっている。

H30、
E400*5も追加している。
ナイアシン500*4~9。
軽躁状態時にはナイアシンを増量して対応し、入院せずに済んでいる。
5月、BUN25.2、フェリチン112。
フェルム中止し、Nowアイアンに変更。
リーマス400mg、ジプレキサ2.5mg、デパケン800mgに減量となった。
振戦、パーキンソン症状軽減。
眠れるようになり睡眠導入剤を終了した。
チラージンは終了となっている。

H31~R1、
BUN30.6、フェリチン151。
顔色が良くなり落ち着いている。
プロテイン30g*3を継続。
ナイアシン500*3~4。
ほぼ躁うつ病相はない。

R2,
躁うつ病相なし。
処方薬はリーマス400mg+デパケン400mgのみに減量になった。
10月、BUN35.2、フェリチンン196。

R3.5、
安定している。
最後の入院から5年経過した。
薬が減ってしっかりしてきた(リーマス400mg+デパケン400mg)。
記憶力が良くなりハングル文字を勉強するようになった。
振戦がなくなり、字が綺麗になった。

・最重度の躁うつ病患者が、5年間入院せずに安定。
・プロテイン+高タンパク/低糖質食。
・フェリチン100までフェルム処方。
・躁うつ病でフラッシュが出ないのでナイアシンで開始。
・ナイアシン、B50、C1000、E400。
・リーマス、デパケンは今後も継続。


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