日本のオーソモレキュラー治療の現状と問題点~その1

「すべての不調は自分で治せる」より

 日本の栄養療法は欧米のオーソモレキュラーを学ぶことからスタートしました。分子栄養学を確立した三石巌先生は、ポーリングと手紙の交換もなさっていたようです。
 私も標準治療から分子栄養学に基づいた栄養療法に切り替えていく過程で、現在日本にあるオーソモレキュラー病院での治療は勉強させていただきました。
 日本でも栄養療法を取り入れている病院は増えてきており、全国にいる患者さんのためには普及してほしいところですが、現在の日本のオーソモレキュラー治療のあり方が、その普及をさまたげている面もあるかと感じています。

1)なぜ特定の高価なサプリを勧めるのか
 私の著書を読んで受診されたある患者さんは、日本で栄養療法を行っているクリニックで「海外の安いサプリは効果が乏しいため、必ず医療用サプリを使わないといけない」との説明を受けたそうです。
 アンドリュー・ソウルは「自分は特定のメーカーのサプリを推奨することはしない。ディスカウントストアに行って一番安いビタミンCを買いなさい」と述べています。「あなたがあなた自身の医師」であることを、どんな人でも実践できるように配慮しているのが欧米のオーソモレキュラーのすばらしいスピリットです。
 特定のサプリでないとダメというのは、欧米のオーソモレキュラーのスピリットとは全く異なることです。私はiHerbやAmazonなどで誰でも購入できる、コストパフォーマンスのよいサプリメントを選択し、ご紹介しています。著書でご紹介したために、私が使いたいものが売り切れたときもありましたが、みなさんと同じ列に並んで入荷を待ちました。
 製薬メーカーが医師に資金提供するように、私がサプリメントメーカーや通販会社から報酬をもらうようなことも、当然ながらありません(通販サイトのシステムに応じた紹介特典や大量購入によるスケールメリットはありますが)。
 日本の病院で勧めるサプリメントの中には、一定のラインを揃えると、最低でも月額10万円はかかるものもあるそうです。中には30万円も使っていたというFacebookの友達もいました。そんなに高価なものは、セレブでなければつづけられません。
 私がご紹介しているビタミンサプリは、健康維持や病気予防、軽度の症状改善のためのATPセットなど基本のビタミンをすべて購入しても、月に約6千円くらいです。ビーレジェンドプロテインならば、月に2千600~3千200円といったところです。

2)なぜソイプロテインを使用するのか
 第1章でも述べましたが、ソイ(大豆)プロテインよりホエイプロテインが、圧倒的に効果が高いです。「筋タンパク合成率においてホエイはカゼインよりも93%高かった」「ソイよりも18%高かった」「トレーニング後に摂取した場合、ホエイの筋タンパク合成率はカゼインよりも122%高く、ソイよりも31%高かった」と、山本義徳氏の著書『アスリートのための最新栄養学』でも調べられています。
 筋肉と同様に内臓の修復にもホエイの方が圧倒的に有効です。
 また、ソイプロテインの摂り過ぎは、甲状腺機能障害を引き起こすこともあり、多くのタンパク質を摂取するためにリスクを伴うことになります。

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