15)Abram Hoffer、ナイアシンのポジティブな副作用とネガティブな副作用について~その1

Helen Saul Case:Orthomolecular Nutrition for Everyone: Megavitamins and Your Best Health Ever、より

急性ペラグラ患者は数十mgのナイアシンで改善するが、慢性ペラグラ患者は治療には600mgのナイアシンが必要となる。
つまり慢性のビタミン不足状態では、「ビタミン依存症」を生じ、治療には高用量のビタミン投与が必要となる。

統合失調症に対してナイアシンを投与すると、必要な抗精神病薬量を劇的に減らすことができ、その結果として遅発性ジスキネジアなどの抗精神病薬の副作用の危険性も大幅に軽減出来る。

RDAの少量のビタミンが必要という考え方は「予防のためのビタミンパラダイム」、一方、高用量のビタミンでの治療は「治療のためのビタミンパラダイム」。

ナイアシンは少量ながら体内で合成されるので、ビタミンと言うよりアミノ酸と言ったほうがより正確。
治療に大量のアミノ酸が必要ということは、多くの疾患を治しうると言うことで理解がしやすくなる。
現在のナイアシンのRDA量では人口の半数以上の人では不足状態になると言える。
コレステロール値を下げるためには、1000~9000mgのナイアシン量が必要。

高用量のビタミン量が必要となる「ビタミン依存症」は、
まず、
1)疾患を発症する遺伝子配列(DNAの塩基配列)に起因する。
2)長期間の重篤な栄養失調によっても生じる。
3)ストレス、疾患、薬物服用によっても生じる。
つまり上記状態では、高用量のナイアシンが必要となる。

ナイアシンのLD50(50%の動物が死亡する量)は体重1kgあたり5000mg。
体重70kgなら350g。
10~100g以上を服用すると吐き気が出てそれ以上飲めなくなるので致死量には達しようがない。

高用量のナイアシンを服用した患者の多くは、脳血流量が増加するため、”頭の中の霧が晴れた”と言う。
慢性疲労症候群や多発性硬化症患者では、赤血球が大きくてかつ凝集しやすく、毛細血管を通過しにくい。
ナイアシンは末梢血管を拡張し、赤血球凝集を抑制する。
ナイアシンのポジティブな副作用は、
1)気分が爽快となり、エネルギーに満ち溢れるようになる。長時間の睡眠が必要なくなる。
2)寿命を延長する。
3)関節痛から解放される。
4)老化プロセスを減速させる。
5)全ての薬剤の中で最も中性脂肪を下げる。
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H30.12追加、
統合失調症、躁うつ病にはナイアシンが第一選択。
抗うつ作用、抗不安作用、抗パニック作用、睡眠改善作用もある。
1500~4500mg。
精神症状に対しては、ナイアシンアミドはナイアシンよりも効果がマイルドで改善に時間がかかる。
関節痛に対しては、ナイアシンアミドはナイアシンと同等の作用がある。
ナイアシンアミドには高脂血症改善作用はない

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