10)ビタミンE~その1

Helen Saul Case:Orthomolecular Nutrition for Everyone: Megavitamins and Your Best Health Ever、より、一部加筆、訂正

ビタミンE過剰症はない。
ビタミンEオイルは日焼けの治療に使われる。

(以下はAndrew W. Saulの記事)
テレビのコマーシャルで、アスピリンは心臓病の治療に効果があると繰り返し宣伝されている。
薬は○○に効くと宣伝して良いが、特定の栄養素が△△という病気を改善させると宣伝することは法律違反となる。
既に、1940~50年代に、Drs. Wilfrid, Evan Shuteにより450~1600IUのEが虚血性心疾患を改善させ、600~1600IUのEが血栓性静脈炎を改善させることを数千例の症例で明らかにしている。
Shutsらは天然型E(d-αトコフェロール)のみを使用している。
現代医学では、虚血性心疾患などの循環器疾患の治療からEによる治療は追放された形になっている。

1.心不全や不整脈に対しては、800~3000IU。
2.火傷、外傷、外科手術の傷の回復を助ける。800~3000IU。
3.Eは呼吸で取り込んだ酸素の節約効果がある。
 (注:E不足があると酸素の43%は生体膜などの不飽和脂肪酸の自動酸化に浪費してしまう)
4.狭心症、心筋梗塞には1200~2000IUで完璧に予防出来る。
5.Eはプロトロンビン時間を延長し、血小板凝集を抑制する。1000~2000IUで血栓性静脈炎を改善させる。Eは抗血小板薬として作用するが、薬より圧倒的に安全性が高い。血栓症を予防する。
6.Eは血管拡張により血流を改善する。800IU、もしくはそれ以上。
7.1型糖尿病で網膜血流が低下した患者で、E1800IU投与にて改善を見た。糖尿病患者において、E投与は網膜症や腎症の合併を防ぐ。

安全性
Shutsは8000IUの投与でも副作用はなかったと言う。
リウマチ性心疾患など、動脈硬化病変がある場合は、90IUで開始し、緩徐に増量してゆく。
 (注;動脈硬化病変がある人はE400IUを4日に1錠で開始する。1週後には2日に1錠、翌週には毎日1錠とする。)

子供のてんかんに対して、400IUを数ヶ月継続すると、発作を60%軽減出来る。約半数の患者では、発作を90~100%減らすことができる。抗てんかん薬の投与を大幅に減らすことができる。

免疫機能への作用
健常高齢者に800IUのEを1ヶ月投与すると、免疫応答が有意に改善した。
大腸がん患者に2週間750mg(1125IU)のEを投与すると、CD4:CD8比率が上昇(T細胞の作るサイトカイン、インターロイキン2を反映する)。
高血圧
Eは高血圧を正常化させる。
ポーリングは、100~800IUのEを服用しておれば、心臓疾患の危険性を30~40%軽減出来ると言った。
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H30.10追加、
d-αトコフェロール400IUには、d-αトコフェロールのみ400IU入っている。
ミックストコフェロール400IUには、d-αトコフェロール400IUに加え、β、γ、δが入っている。
オーソモレキュラー本では、ミックストコフェロールを推奨している。
しかし、自分の使用経験ではd-αトコフェロール単剤の方が有効な印象がある。
従って、自分はd-αトコフェロールと、4種類のトコフェロールが入ったミックストコフェロールを隔日で服用している。

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