2)ビタミンCの3つの顔(by Robert F.Cathcart)

Helen Saul Case:Orthomolecular Nutrition for Everyone: Megavitamins and Your Best Health Ever、より
昨年ノートにまとめた内容を再掲、加筆

ビタミンCには3つの顔がある。
1つ目の顔、壊血病の予防(65mg/day)
2つ目の顔、急性誘発性壊血病(acute induced scruvy)の予防、体内のビタミンC機能の補助(1000~20000mg)
3つ目の顔、疾病などによる活性酸素を除去するための飽和量(30000~200000mg)

ビタミンCは体内で電子供与体として働く。
病気や外傷などで生じる活性酸素によりCは破壊されて濃度が低下してしまう。
そのため、活性酸素を中和するためには高用量のCが必要となる。

酸化されたCはデヒドロアスコルビン酸(DHA)となり不活性化する。
ミトコンドリアにおいてDHAが還元されて、Cに戻せなければ、この局所において急性誘発性壊血病(acute induced scruvy)状態となる。
病気や外傷などで生じる活性酸素によりC濃度が低下してしまうと、Cの腸耐性用量が急速に増大する。
つまり、高用量のCが服用、吸収可能となる。
過剰なCの服用による下痢は、直腸内の高濃度Cによる高い浸透圧による水分吸着による。
疾病時には組織内で急速にCが破壊され、その結果としてCの腸からの吸収能力は急速に増大する。
そのため、疾病時にはCは直腸まで届かなくなり、下痢を引き起こさなくなる。
疾病によるCの吸収能力の増大の程度は、疾病の重症度に比例する。
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医学部で教わるのは、C不足(65mg/day以下)で壊血病になるということのみ。
しかし、実際はほとんどの人はC不足状態にある。
マウスや犬などCを産生できる動物は、人間の体重換算にて、通常時には2~7g、ストレス時には10~20gのCを産生している。
3~20g服用すれば、感染症、ガン、その他の慢性疾患の予防になる。
高用量のCを服用時には、「ビタミンCの突出」を防ぐため、E(d-αトコフェロール)200~800IUの併用が必要。

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H30.10追加、
一年ぶりに3回目読んでいる。
この本は145ページから読み始めれば良い。
144ページまではヘレン・ソウルの”あーだこーだ”という話しでつまらない。
145ページ以降は、キャスカート、クレナーなどの30人の栄養療法エキスパートの論文が掲載されており、読み応えがある。
特にアンドリュー・ソウルの文章はとても面白い。
ポーリングにその文才を評価されていたのがわかる。
つまり、ヘレンさんの本だけど、ヘレンさんが書いた部分はすっ飛ばして読めば良いという話になる。

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